かいおう倒産の理由

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かいおう倒産の理由は、外食産業の厳しい競争が終わらないからです。回転寿司業界は、大手企業が多いうえに、高原価のため儲かりにくいですね。


(1)寿司屋の倒産

日本人は、海産物の消費が多いため、あらゆる海産物を消費しています。日本は、世界中から海産物を輸入しているため、輸入大国として魚介類を集めてきました。

日本円は、日本が経済大国になったため高い購買力を持ってきましたが、バブル崩壊後の経済低迷により購買力が低下しています。海産物は、日本食ブームや健康ブームにより消費量が増加しているため、世界の消費量は増加を続けています。

寿司屋は、為替や魚介類の相場の影響を強く受けるだけでなく、業界内の競争が激しくなっています。大手チェーン店は、輸入食品の鮮度管理や為替のリスクヘッジなど、経営を高度化していますね。
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(2)海王の会社概要

  1. 2007年2月設立
  2. 富山県高岡市設立
  3. FC展開により36店舗に拡大
  4. 2015年1月期売上高 約19億2000万円
  5. 2015年1月期当期損失 約3000万円
海王コーポレーションは、2007年2月に富山県高岡市に設立しており、回転寿司店かいおうを主力にしてきました。かいおうは、直営店だけでなくFC展開により店舗数を増やしており、36店舗まで拡大に成功しています。

FC方式は、他店舗展開に成功すれば利益率が高く、急激な事業拡大に成功できます。FC本部は、店舗投資などの固定資産をFCオーナーが負担するため、ロイヤリティー収入により高収益を得られるからです。

かいおうは、回転寿司業界でのFC展開を行っていますが、飲食業界は参入障壁が低い業界です。特に回転寿司業界は、大手企業の競争が激しくなっているため、新規参入企業が勝ち抜くのは難しい業界になっていると言えそうです。

(3)大手回転寿司業界の動向

  1. 回転寿司業界ランキング1位 あきんどスシロー 1360億円
  2. 回転寿司業界ランキング2位 くらコーポレーション 1053億円
  3. 回転寿司業界ランキング3位 はま寿司 1010億円
  4. 回転寿司業界ランキング4位 カッパクリエイト 803億円
  5. 回転寿司業界ランキング5位 元気寿司 323億円
大手回転寿司業界のランキング上位を見れば、売上高が1000億円を超えており、上場企業グループの会社が多くなっています。スシローは、非上場企業になっていますが、企業規模が大きく新規上場する可能性も注目されていますね。

外食チェーン店は、多業種のM&Aによる規模拡大を続けており、回転寿司業界も再編が続いています。はま寿司はゼンショーグループ、カッパクリエイトはコロワイド、元気寿司は神明ホールディングスの子会社になっています。

回転寿司は、大量の海産物を扱うだけでなく、寿司ネタは生もののため鮮度管理も重要になります。かいおうは、店舗数を順調に拡大してきましたが、巨大外食グループに立ち向かうのは厳しかったと言えそうです。

(4)海産物取引の特徴

  1. 海産物は輸入が多い
  2. 為替管理が重要 ドル建て取引
  3. 鮮度管理が重要 生もののため食中毒対策
  4. 規模が大きいほうが為替のコスト管理がしやすい
  5. 規模が大きいほうが仕入れコストを値下げしやすい
外食産業は、うどんや牛丼など多様化していますが、小麦や肉など外国産の輸入が多いです。回転寿司も、海産物を大量に輸入しているため、為替の管理が大きく影響します。

海産物業者は、デリバティブ取引や為替予約によりリスクヘッジしており、為替変動の影響を限定的にしています。為替レート円安は、輸入食品の値上がりに繋がりますが、外食産業が値上げを最小化できた背景とも言えます。

回転寿司は、生ものの海産物を消費者に提供するため、鮮度管理や販路も重要になります。回転寿司業界は、大手上場企業に集約されていっていますが、規模の経済により管理コストを低下させられるということですね。

(5)外食産業の競争激化

  1. 外食産業の需要 人口減少社会
  2. 外食産業の需要 消費者の低価格志向
  3. 外食産業の競合 コーヒーチェーン店の食品提供
  4. 外食産業の競合 食品会社の冷凍食品が品質向上
  5. 外食産業の競合 サイゼリヤや鳥貴族など低価格チェーン店の増加
かいおう倒産を考えるときに、外食産業全体の動向について、需要や競合の面から考えて見ましょう。日本は、少子高齢化社会になることはバブル前後から指摘されており、人口減少が既に始っています。

外食産業は、人口減少と低価格志向の直撃を受けているため、低価格チェーン店が増加を続けてきました。外食産業は、コーヒーチェーン店が食品提供を増やしているうえに、スタバや吉野家などアルコール飲料も重視しています。

食品会社は、外食産業と提携して販売を増やしてきましたが、冷凍食品の加工技術も向上させています。外食産業は、人口が減少しているなかで競争が激しくなり過ぎているため、零細企業の廃業や倒産は止まらないでしょうね。
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2 件のコメント:

  1. >匿名さん
    匿名さん、コメント欄から返信致します。

    匿名さん、コメントフォームに連絡有難うございます。
    返信が遅れてすみません。見落としておりました。

    回転寿司業界は、飲食店業界の中では、参入障壁は比較的高い業種という点。
    匿名さんの仰る通り思います。

    >海産物業者は、デリバティブ取引や為替予約によりリスクヘッジしており、為替変動の影響を限定的に…
    海産資源のデリバティブ取引市場は、自分は知りません。
    通貨オプションと為替予約のことを、意図していますので、表現が分かりにくかったと思います。

    個人飲食店は、仰る通り、質が担保されていないところが少なくないと思います。
    自分は、チェーン店はお気に入りなので、頻繁に食事にいっております^^

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