コメダの借金返済能力

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コメダは、ファンドの器が借入金により買収しており、上場時の借入金が多いという指摘があります。コーヒーチェーン業界は、キャッシュフローが優れているうえに、コメダの経営陣が1%の借入コスト低下に成功していますね。


(1)コメダホールディングスのIPO

  1. 2016年6月29日上場
  2. 外資系ファンドが売却
  3. コメダ珈琲店をフランチャイズ展開
  4. コメダの財務はのれんが問題点として指摘
  5. コメダの財務は有利子負債が問題点として指摘
コメダホールディングスは、コメダ珈琲店をフランチャイズ展開している会社であり、2016年6月26日に新規上場します。コメダは、創業家がファンドに株式を売却していましたが、別のファンドに転売していました。

優良企業は、会計上の帳簿価格よりも高い価値で買収されるため、のれんが無形固定資産として発生します。コメダは、会社の価値をファンドが高く評価したため、のれんが数百億円発生したということですね。

キャッシュフローが黒字であり、会社に利益がでていれば倒産に影響することはないため、有利子負債に注目したいと思います。コメダは、銀行借入を有利な条件で借りているうえに、キャッシュフローが黒字になりやすい業種のため借入返済能力は問題ない優良企業と言えますね。
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(2)コメダがローン借換により支払金利削減

  1. コメダは約定弁済・期限一括返済・融資枠の3種類を借入
  2. 2014年2月7日金銭消費貸借契約 タームローンA130億円 TIBOR+0.75~当初1.25%
  3. 2014年2月7日金銭消費貸借契約 タームローンB180億円 TIBOR+1.00~当初1.50%
  4. 2014年2月7日金銭消費貸借契約 コミットメントライン10億円 TIBOR+1.00~当初1.50%
  5. 2015年2月20日金銭消費貸借契約 トランシュA117億円 TIBOR+0.25%
  6. 2015年2月20日金銭消費貸借契約 トランシュB171億円 TIBOR+0.50%
  7. 2015年2月20日金銭消費貸借契約 トランシュC10億円 TIBOR+0.50% コミットメントライン未使用
  8. コメダは2015年2月の借換により借入金利を1%低下させることに成功している
コメダは、ファンドが買収するときに負債を活用しているため、多額の銀行融資が残っていました。コメダの取締役には、三和銀行や日本債権信用銀行、あさひ銀行・ゴールドマンサックスや富士銀行の出身者がいるため財務に非常に強いのでしょう。

日本銀行は、量的緩和やマイナス金利を発表しており、銀行融資の金利にも大きな影響を与えています。コメダは、基準金利のTIBOR下落による利益を得ているだけでなく、借換を行うことに成功しています。

コメダは、2014年2月7日に銀行融資を契約していますが、2015年2月20日にローンの借換を行っています。コメダは、預金や固定資産を銀行担保にしていますが、銀行借入288億円の金利を1%低下させることにより2億円以上の節約に成功していますね。

(3)コーヒーチェーン店業界のキャッシュフロー計算書

  1. 2016年2月期営業キャッシュフローが黒字 32.4億円 法人税所得税等の支払により減少
  2. 2016年2月期投資キャッシュフローが赤字 16.7億円 千葉工場建設による一時的な支出あり
  3. 2016年2月期財務キャッシュフローが赤字 17.7億円 トランシュA長期借入金17億円の返済
  4. コメダは営業キャッシュフローが黒字でバランスも理想的
  5. 競合他社は現金商売のためキャッシュリッチで無借金
  6. 大手コーヒーチェーンは営業キャッシュフローが黒字で投資も少ない
コーヒーチェーン店は、外資系企業のスタバ、日本企業はドトールやサンマルクなどを利用したことのある方は多いと思います。コーヒーチェーン業界は、利益率が高いうえに現金商売であるため、3社とも無借金の優良企業です。

コメダのキャッシュフロー計算書もそうですが、営業キャッシュフローが黒字になっており、投資キャッシュフローや財務キャッシュフローが赤字です。コーヒーチェーン店は座席が埋まっており、流行っている店舗が多いためイメージしやすいと思いますが、銀行借入や公募増資をしなくてもやっていける業界です。

会社に財務余力がなければ、新株発行による新規の資金調達を行ったり、借金返済のためにリストラをしなければなりません。コメダは、会社の営業活動により十分な資金調達を行えているため、公募による資金調達をせずに売り出しのみのIPOに成功したということですね。

(4)コメダの短期倒産リスクは低い

  1. FC店は順調に増加 預り保証金返還リスクも低い
  2. コミットメントライン未使用 資金繰りに余裕がある証拠
  3. 銀行融資の借換に成功した 支払利息負担が減少している
  4. 銀行融資の借換に成功した 銀行は融資先確保が経営課題
  5. コメダだけでなく大手コーヒーチェーン店は店舗に客が溢れている
コメダの株式売出届出目論見書には、流動性リスクが記載されており、FC店から預かっている預保証金返還リスクが記載されています。融資枠10億円は、流動性リスクの対策として既に準備しているうえに、借入として利用していないため短期資金に問題はありません。

コメダは、現金商売のフランチャイズチェーンであるだけでなく、借入利息の負担も2億円減っているため資金繰りは問題ないでしょう。銀行は、日銀のマイナス金利政策により融資獲得競争を行っているため、優良上場企業は貸し剥がしの心配もないです。

コーヒーチェーン店は、店舗での来客が続いていれば、現金商売のため融資返済を続けることができます。コメダは、借入金が同業他社より多い事も指摘されていますが、営業キャッシュフローが黒字のため特に問題がないと言えますね。
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