なか平 倒産の理由

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なか平は、倒産した旅館ですが、旅館業界は借金が多いという構造的な問題があります。大手企業は、二束三文で倒産後に買収するため、借入の多い中小企業は競争に負けやすいでしょうね。


(1)名門旅館の倒産

天皇陛下は、日本各地を御巡幸するときに利用する宿は、各地の名門旅館や名門ホテルに宿泊します。皇族が宿泊する旅館は、旅館の質を担保することになるため、非常に大きな宣伝効果がありますね。

旅館の経営は、建物の維持にお金がかかるだけでなく、庭の整備や温泉の維持などにもお金が必要になります。旅館の決算書を見れば、固定資産や借入が多いため、キャッシュフローが厳しい会社があります。

社員旅行や宴会は、旅館の経営を支える柱になっていましたが、会社行事の縮小により減少が続いています。旅館は、経営再生のために倒産している会社もありますが、新しい資本が入ることにより経営再生している会社もありますね。
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(2)なか平の会社概要

  1. 1912年 創業
  2. 三重県鳥羽市の商人宿を開業
  3. 1968年 観光旅行業界に参入する
  4. 1997年 新規の宿泊施設を開設した
なか平は、1912年に商品宿を開業しており、創業から100年を超える老舗企業と言えます。旅館業界は、代々の土地や建物を守り続けている会社が多いため、老舗企業が多い業界の一つですね。

なか平は、1968年に観光旅行業界に参入しており、高度経済成長による日本人の所得増加による恩恵を受けてきました。観光業界は、生活必需品産業のように不可欠ではないため、景気による影響を大きく受ける産業です。

観光地は、各地で観光振興の対策を行っていますが、寂れた観光地も少なくありません。観光業界は、景気の影響を非常に大きく受けるため、老舗企業であっても倒産しやすい産業の一つですね。

(3)なか平の売上高

  1. 2000年7月売上高 約13億8000万円
  2. 2015年7月売上高 約3億6000万円
  3. 観光業界は景気の影響を大きく受ける
  4. 外国人観光客の増加により回復している会社もある
なか平の業績は、2000年に売上高がピークになっており、売上高が10億円を超える規模になっています。ホテル旅行業界は、現状の維持に多額の費用が必要になるため、稼働率を上げなければキャッシュフローは簡単に悪化します。

なか平の売上高は、2000年のピークから大幅に減少しており、2015年には3分の1未満に縮小しています。旅館の経営は、じゃらんや楽天トラベルなどからの集客手段も増えていますが、ブランド力がなければ収益改善は難しいでしょう。

韓国経済崩壊最新2016年2月 外国人観光客が激減をまとめましたが、日本を訪れる外国人客を急増しており、観光産業の株価は暴騰しています。なか平は、外国人観光客の比率が気になるところですが、倒産後の経営がよければ復活するのか注目ですね。

(4)旅館業界の問題点

  1. 多額の借入がある
  2. 建物や景観維持のコストが高い
  3. 観光業界は景気の影響を大きく受ける
旅館業界は、建物の建築や維持のために、銀行借入に依存していることの多い業界です。なか平の倒産について、信用調査会社がまとめていますが、借入金による投資に失敗したことが破産した理由になっています。

なか平は、旅館を売却するなどして借入を返済してきましたが、既存施設の稼働率が向上しなければジリ貧になります。なか平の経営は、借入の返済を延滞しており、経営の改善が困難になっていたということですね。

慶泉は、別会社に営業譲渡して事業継続する方針のため、国内旅行が盛り上がる中で再生するのか注目したいと思います。なか平の負債は、売上高の3倍以上にあたる、約13億円もあるため融資返済による経営再建は難しかったということでしょうね。

(5)星野リゾートやPGMの共通点

  1. 倒産後に買収
  2. 債権放棄により身軽になる
  3. REITや株式市場を活用する
  4. 外部資金を活用して経営再生
星のやは、旅館やホテルを再生させたこととして有名になっていますが、平和PGMグループと共通している点があります。星野リゾートは、自社の不動産をREITとして切り離しており、資金調達と経営リスクの低下を同時に行っています。

ゴルフ場業界ランキングと動向をまとめましたが、業界トップの上場企業は、借入の多い零細企業に対して勝てる確率はかなり高いでしょう。星野リゾートやPGMは、会社が倒産して債権放棄してから、二束三文の価格で買収することにより儲かるビジネスになります。

旅館業界は、外国人観光客の増加により活性化していますが、借入返済と設備投資を同時に行うには経営手腕が重要になります。地方の旅館が、大手企業の傘下になるだけでなく、独自路線による経営再生していけるのか注目していきたいと思います。
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