ベネズエラ破綻の理由

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ベネズエラは、世界最大の石油埋蔵量の国であり、オイルマネーにより経済成長しました。ベネズエラ経済は、原油価格の暴落によりインフレが止まらなくなっており、国家破綻が続いていますね。


(1)国家破綻

日本政府は、財政赤字により国債発行が止まらなくなっているため、国家破綻することが15年以上言われてきました。バブル崩壊は、日本経済に大きなダメージを与えてきましたが、金融資産や技術の蓄積が想像以上に多かったということでしょう。

世界経済は、リーマンショックや逆オイルショックのように、定期的に世界経済を破綻させるよなイベントが発生しています。キプロスやアイスランドは、金融に依存しすぎたため破綻しており、ギリシャは粉飾がばれたため崩壊しました。

ロシアは、ウクライナとの紛争による経済制裁により影響を受けるなかで、石油価格暴落が続けば破綻することが噂されています。日本の破綻は、狼少年が叫び続けているような状況になっていますが、先進国でも破綻する国はあることが分かりますね。
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(2)ベネズエラは石油産出国 石油生産コストが高い

  1. ベネズエラは独裁が続いている
  2. ベネズエラは石油暴落が直撃している
  3. ベネズエラは世界最大の石油資源国
  4. ベネズエラは石油の生産コストが高い
  5. ベネズエラの輸出品目はほとんど石油
ベネズエラは、オリノコ川流域に~質油の原油が発見されているため、世界最大の資源国になっています。世界最大の石油国は、中東のサウジアラビアなうえに、石油と言えば中東地域というイメージを持つ方は多いと思います。

中東のオイルショックは、先進国が各地で油田開発を進めるきっかけになっており、OPECの非加盟国による石油生産が増加しています。アメリカのオイルメジャーは、ベネズエラの石油開発を続けることにより、世界有数の資源国に影響力を確保してきました。

ベネズエラは、世界最大の石油埋蔵量を誇っていますが、石油生産量は埋蔵量よりも少ない水準が続いています。ベネズエラは、外資を追い出したため石油生産コストが高いうえに、生産量が減少しているところに石油暴落により国家破綻しました。

(3)外資を追い出したため生産コストが下がらない

  1. P&G 生活用品大手
  2. コルゲート 生活用品大手
  3. エクソンモービル 世界最大の民間資源会社
エクソンモービルやシェブロンテキサコは、石油開発や天然資源開発をするときに、国有企業との合弁割合や利益支払を重要視しています。ベネズエラなどの資源国は、税収増加や雇用確保のために、資源会社の国有化や外資系企業を追い出すことがあるからです。

ブラジルレアル破綻の見通しをまとめましたが、民主国家のブラジルでも、ペトロブラスの再国営化を行いました。資源採掘は、ナショナリズムを刺激することになるため、資源会社の国有化は支持率上昇に繋がりやすい政策です。

ベネズエラは、石油価格が値上がりしたときに利益が増えたため、エクソンモービルを追い出すことを決めています。国有企業は、政治家や官僚による汚職に繋がりやすいため、民度の低い国は国有化により倒産することがありますね。

(4)資源国の国家モデルは独裁と利益分配

  1. 独裁により政治の自由を制限している
  2. 資源輸出が国家予算の中心になっている
  3. 資源の利益を分配することにより不満を抑える
  4. 資源価格が下落すれば分け前が減るため政情不安になる
独裁国は、政治の自由を制限することにより権力維持を続けており、市民の不満をコントロールすることがポイントになります。資源国は、商品市場の高騰により余力があったため、医療費無料や教育無料などのバラ蒔きを続けてきました。

ベネズエラは、キューバに対しての対外援助を続けており、石油による利益が国家権力の源泉でした。キューバは、ベネズエラからの援助を逆オイルショックにより打ち切られたため、アメリカと国交正常化交渉が進んでいます。

資源国が破綻した理由をまとめましたが、石油や天然ガスに依存すれば、資源バブルのときにばら撒きにより国家予算が膨張します。オイルメジャーのような民間企業は、投資削減やリストラにより危機を乗り越えられますが、体力のない資源国は破綻していくことになるでしょう。

資源価格が下落すれば、札束のばらまきができなくなるため、外交や内政が資金不足になり政情不安が一気に進むことになります。ベネズエラは、石油の利益を使うことにより経済を活性化してきましたが、石油価格の暴落により経済と政治が崩壊したということですね。

(5)ベネズエラの国家崩壊は始まっている

  1. 石油価格の暴落
  2. ベネズエラのが採掘コストよりも安くなる
  3. ベネズエラは石油を大量販売しても利益がない
  4. ベネズエラの先行きが悲観されて通貨安になる
  5. 産油国は石油しか主要輸出品目がないため外貨不足になる
  6. ベネズエラは日用品を輸入に頼っているためインフレが止まらない
ベネズエラの破綻は、産油国に共通しているサイクルになっており、外貨準備高の少ない国は影響が深刻になります。ベネズエラは、石油価格の採掘コストが40ドルから80ドルと言われており、財政均衡のために150ドル以上が必要なため原油価格30ドル前後では増産しても利益がありません。

ペトロブラス倒産の危機をまとめましたが、原油価格は1バレル100ドル前後になっていたため、利益を再投資して採掘が行われてきました。ベネズエラのように、高コストでしから利益のでない油田は、採掘中止やプロジェクト延期が相次いでいます。

ベネズエラは、世界最大の産油国になっていますが、外資を追い出して設備が古いため輸出を増やしても赤字が膨らむ皮肉な話になりました。ベネズエラの今後は、石油輸出による外貨獲得ができなくなっているため、ドルやユーロなどの外貨準備が不足して通貨安が続いています。

ベネズエラは、石油を輸出して工業製品を輸入してきたため、通貨安により日用品のインフレが止まらなくなりました。日本は、石油資源や鉱物資源を輸入に依存しているため資源国を羨んできましたが、サウジアラビアやUAEなど少数の豊かな国を除けば国家破綻しやすいことが分かりやすいですね。
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