レノバサイエンス倒産の理由

スポンサードリンク
レノバサイエンスは、倒産前の資金繰り悪化が把握されており、破綻は時間の問題でした。信用調査会社は、与信情報を手広く収集しているため、企業の資金繰り把握に重要な存在ですね。


(1)バイオ業界の倒産

バイオ業界は、製薬業界と同じようなイメージはありますが、後発医薬品を作る難しさに大きな違いがあります。高分子医薬品は、化学合成により薬品を作るため、特許切れになれば後発医薬品により収益力が大幅に低下します。

バイオ医薬品は、特殊な製造工程を得ているため、バイオシミラー医薬品を作るためには製造工程の審査も必要になります。バイオ医薬品と高分子医薬品を比較すれば、バイオ医薬品の方が医薬品はヒットすれば得られる利益は多いということが一般的に言われてきました。

バイオ医薬品は、将来的に成功すれば高い利益を得られますが、莫大な先行投資が必要になるため資金繰りの問題が常にある業界です。株式市場は、バイオ医薬品の将来性を高く評価しているだけでなく、ギリアドサイエンスのように株価が数倍に暴騰する銘柄も現れていますね。
スポンサードリンク

(2)レノバサイエンスの会社概要

  1. 1987年 会社設立
  2. バイオ関連機器を取り扱い
  3. バイオ関連機器の製造は外注
  4. 研究機関や大学だけでなく企業にも販売
レノバサイエンスは、1987年に会社設立しており、バイオ関連機器を取り扱う会社です。レノバサイエンスは、バイオ関連機器の製造を外注しているため、商社のような仕事をしていたことが分かりますね。

レノバサイエンスの販売先は、民間企業に販売しているだけでなく、公的な研究機関や大学に対しての販路を持っています。公的機関は、取引基準が厳格になっているため、反社会勢力や違法行為のあった会社は取引から除外されます。

ジョンソン&ジョンソンは、世界有数の優良企業として医療機器の製造販売を手がけており、高い利益率を誇っています。レノバサイエンスは、バイオ関連機器を販売していますが、高い技術力の必要な製造を外注しているため利益率は低かったと言えますね。

(3)ギリアドサイエンシズの成長

  1. ギリアドサイエンシズの株価 2012年20ドル台
  2. ギリアドサイエンシズの株価 2014年100ドル超
  3. ギリアドサイエンシズの業績2012年12月期 売上高97億ドル
  4. ギリアドサイエンシズの業績2012年12月期 当期利益26億ドル
  5. ギリアドサイエンシズの業績2014年12月期 売上高249億ドル
  6. ギリアドサイエンシズの業績2014年12月期 当期利益121億ドル
  7. ハーボニ1錠1100ドル C型肝炎治療の特効薬
  8. ソバルディ1錠1000ドル C型肝炎治療の特効薬
  9. バイオ医薬品は高いが社会復帰による利益が見込める
ギリアドサイエンシズは、バイオ医薬品会社の中でも、急成長した会社として時価総額が10兆円を超えました。タミフルは、インフルエンザ治療薬として聞いたことのある人はいると思いますが、ロシュに対してライセンス供与をしています。

ギリアドサイエンシズの業績は、バイオ医薬品セクターのため割高に評価されていたものの、将来性が期待されてきました。製薬会社は、創薬に成功すれば1つの薬で売上高が1000億円超になるため、ブロックバスターと呼ばれる医薬品が重要になります。

ギリアドサイエンシズは、C型肝炎の治療薬製造に成功しており、売上高と利益が1兆円超になるまで急成長しています。林原は、肝炎治療薬のインターフェロンを製造しており高い評価を受けてきましたが、ギリアドサイエンシズのようなバイオ企業との競争には多額の資金が必要になったのでしょう。

簡単にお金持ちになる方法をまとめましたが、ロナルドリード保有銘柄のジョンソンエンドジョンソンも、バイオ医薬品製造会社を保有しています。バイオ医薬品の研究は、研究環境を整えるために多額の資金が必要になるものの、将来性があるため多額の投資を続ける業界であるということですね。

(4)倒産前の前兆

  1. レノバサイエンスは手元資金が不足
  2. レノバサイエンスは資金回収期間が長い
  3. 信用調査会社が信用不安情報を把握してる
  4. ノンバンクが債権譲渡登記を設定していたことを把握
  5. 2015年11月 レノバサイエンスの資金決済が難しくなっていた
  6. 2015年12月 レノバサイエンスの資金決済が難しくなっていた
信用調査会社は、企業の倒産前の兆候を把握しているため、資金不安の噂は急速に広がります。企業は、与信管理のために信用調査会社に調査を依頼して、新規取引や債権回収できるのかを把握します。

信用調査会社は、ノンバンクが債権譲渡登記を設定していることをを把握しているため、レノバサイエンスが倒産寸前になっていることを把握しています。レノバサイエンスは、倒産前に資金決済が困難になっているため、手元資金が不足していたことが分かりやすいですね。

公的機関や大手企業は、倒産による不良債権リスクは小さいですが、債権の現金化に半年以上かかることもよくある話です。レノバサイエンスの倒産は、信用調査会社が倒産前の兆候を把握していた可能性が高いため、与信管理をするときに参考になる事例であると言えますね。
スポンサードリンク

::


0 件のコメント:

コメントを投稿

最近の記事
Google を含む第三者配信事業者は、Cookie を使用して、ユーザーのウェブサイトでの閲覧履歴に基づく広告を配信します。 Google 広告 Cookie を使用することにより、Google や Google のパートナーは当サイトや他のサイトへのアクセス情報に基づく広告をユーザーに表示できます。 ユーザーは広告のオプトアウト ページ
で Google 広告 Cookie を使用しないよう設定できます(また、Network Advertising Initiative のオプトアウト ページでも第三者配信事業者の Cookie の使用を無効にできます)。