(1)ブラジル経済の特徴
- ブラジルはBRICSに含まれる
- ブラジルは人口や資源の多い国
- ブラジルは経済破綻した過去がある
- ブラジルはインフレ対策のため高金利通貨
- ブラジル国債がジャンク債に転落したうえに金利14.5%に利上げ
ブラジルは、人口が多いため国内消費の成長が期待されているうえに、国土が広いため鉄鉱石や穀物などの資源が豊富や国と言われてきました。石油価格は、1バレル100ドルを超える高値圏にあったため、世界中の石油会社が海底油田を探査してきました。
ブラジルは、巨大海底油田の埋蔵量が莫大であったため、資源輸出国としての注目を集めていました。ブラジル経済は、人口や地下資源など成長力が高いため、未来は明るいと思われてきましたが国家破綻の危機に転落していますね。
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(2)ブラジル経済はインフレが激しかった
- ブラジルは中間財を輸入してきた
- ブラジルは石油の輸入国であった
- ブラジルレアルの通貨安が続いていた
- ブラジルはドル建ての海外債務が多かった
日本経済は、大手部品メーカーや大手素材メーカーなどの裾野が広いため、中間財の重要性が分かりにくいと思います。ブラジル経済は、中間財を輸入しなければいけいないほど、産業基盤が希薄な経済状況でした。
資源国が破綻した理由をまとめましたが、ブラジルの石油は、深海油田が中心になるため採掘コストが非常に高いです。ブラジルは、石油採掘の投資を続けてきましたが、海外からの石油輸入を続けざけるを得なくなっていました。
ブラジルは、石油の輸入国としてオイルショックの打撃も受けており、国内に貿易黒字が蓄積されにくい仕組みになっていました。ブラジルは、ドル建ての海外債務も多くなっていたため、通貨安により経済破綻が止まらない仕組みになっていましたね。
(3)商品相場上昇により経済が好転
- 一次産業従事者が多い
- 原油価格が上昇 海底油田採掘
- 鉄鉱石価格が上昇 鉄鉱石の採掘拡大
- 商品価格の上昇により輸出が急速に拡大
- 地下資源採掘の設備投資により経済の好循環
新興国経済の成長は、原油や鉄鉱石のような天然資源だけでなく、砂糖やトウモロコシなどの商品相場も暴騰させました。ブラジルのヴァーレは、鉄鉱石を中心とする巨大採掘企業になっており、三井物産も出資している会社です。
ベネズエラ破綻の理由をまとめましたが、石油価格の暴落は、国家崩壊まで追い込まれている資源国があります。ブラジルは、ペトロブラスに莫大な投資を行ってきましたが、賭けは失敗して混乱が止まらなくなりました。
ブラジルは、巨大海底油田の探索に成功しているため、ペトロブラスの巨額投資も話題になりました。アメリカのゼロ金利政策は、ブラジル経済を資源価格や低金利融資により後押ししていたため、利上げを行えば経済崩壊のリスクが高まるということですね。
(4)ペトロブラス倒産危機の仕組み
- 利益を採掘に再投資した
- 新規採掘のために資金調達
- 原油価格の急落により大赤字
- 鉄鉱石価格の急落により逆ザヤ
- レアル暴落によりドル建債務の負担増加
- ブラジルの採掘企業は巨額の借金だけが残った
ペトロブラスは、海底油田の採掘に巨額の投資をしていましたが、原油を販売して資金回収するには数年間かかります。ペトロブラスは、1バレル100ドル前後のような採算水準になれば、利益がでるようなプロジェクトに投資してきました。
ペトロブラス倒産の危機をまとめましたが、採掘コストの高い物件に兆円単位の投資をしているため、原油価格暴落が業績を直撃しています。海底油田は、1バレル80ドルや100ドルにならなければ、投資コストを回収できない物件が多数あります。
ガソリン価格や原油価格を見れば、1バレル100ドルを超えていた原油価格は、35ドル前後まで急落してしまいました。ペトロブラスなどは、巨額の利益や新規借入を海底油田プロジェクトに投資をしてきたため、資金回収ができないまま借金だけが残ったということですね。
(5)ブラジル企業が資源やインフラを切り売り
- ブラジルが汚職で逮捕続出
- ブラジル大統領が汚職に関与
- ペトロブラスの株価が40ドル台から4ドルに急落
- ペトロブラスのガスパイプライン会社に三井物産が49%出資
- ブラジルレアル安と経済破綻により外資がハゲタカ買いを継続
ペトロブラスは、ブラジル政府の再国有化しており、国内企業からの調達による汚職とコスト高が発生しました。ペトロブラスの投資家は、ドル建債務の返済見通しがたたないと判断しており、株価はボロ株のように転落しています。
南アフリカランド破綻の見通しを比較すれば、外資系企業により経済支配が進んでおり、利益の流出が続く仕組みになっています。ブラジルと南アフリカを比較すれば、ブラジルレアルの暴落と破綻危機は、海外企業による経済支配が進むことになるでしょう。
ブラジルレアルの暴落は、外資系企業がインフラを格安で買収するチャンスになっており、三井物産がペトロブラスのガス会社に49%出資しています。ブラジルレアルは、為替や商品価格の暴落により経済の弱体化が進んでいるため、借金だらけになった企業の資産切り売りが一段と進むことになりますね。 スポンサードリンク
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