(1)設備投資による倒産
設備投資は、企業の成長に不可欠であるという口コミを、聞いたことのある方は多いと思います。倒産は、資金繰り破綻が最も多いパターンになりますが、設備投資はリスクの大きな賭けとも言えるでしょう。設備投資を行えば、生産量増加やコスト削減に繋がりますが、利益は増えることが前提になります。売上が、設備投資をした後に右肩下がりや停滞すれば、会社の経営が悪化するのは自然な流れですね。
生産能力が増えれば、材料や在庫による運転資金が増えるため、計画が甘ければ資金繰り破綻に繋がります。大手上場企業は、財務がよいため設備投資は前向きな印象ですが、中小企業は倒産への入り口になる会社は多いですね。
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(2)みらい会社概要
- みらいの創業 2004年
- みらいの創業者 嶋村茂治
- みらいの事業概要 農業ベンチャー
- みらいの事業内容 人口光による植物工場
- みらいの知名度は高い ガイアの夜明けに出演していた
ベンチャー企業は、経営が軌道に乗るまでに資金や人材が必要になるため、突発破綻することはよくある話です。みらいは、植物工場の中で野菜を生産するため、工場建設や設備に多額の資金が必要になりますね。
みらいは、初期投資が多くなりやすいビジネスモデルのため、資金回収が遅れれば資金繰り倒産に繋がります。みらいは、多額の設備投資を行って勝負を仕掛けていますが、過大な借入により資金繰り破綻していますね。
(3)みらい倒産と工場建設
- 2014年2月 みらいが千葉県柏市と宮城県多賀城市の工場稼動
- 2015年3月期みらい売上高 約10億円
- 2015年3月期みらい営業赤字
- 2015年6月末みらい負債総額 約11億円
- みらいは新工場で野菜の安定生産に失敗
- みらいは工場の設備資金の返済期限に資金繰りが間に合わなかった
みらいは、工場建設による設備資金の融資返済だけでなく、仕入や在庫により資金繰りが悪化しやすくなりました。生産能力を増やせば、取引先から調達する原料や電気代などの支払が増えるため、資金繰りが急速に悪化しやすくなります。
みらいが、新工場稼動後に野菜の安定生産に失敗したということは、設備投資失敗により資金繰り倒産しやすくなったとういことでしょう。みらいの事例は、マスコミが宣伝するようなベンチャー企業が、技術力は高いとしても倒産することはあるということですね。
(4)歩留まりと野菜生産
- みらいは植物工場を経営
- みらいは野菜を取り扱っている
- 野菜は生き物であるため安定生産が難しい
- 工業製品は原料と製造装置があれば安定生産可能
石油化学製品は、プラスチックや洋服など用途が幅広く使われていますが、石油と設備があれば安定供給が可能です。みらいは、農業ベンチャーとして新しい技術を使っているため、量産化を安定させるための資金繰りも重要です。
みらいの負債総額は、売上高と負債総額が1年分の規模になっているため、資金繰りの余裕がほとんどありませんでした。みらいは、設備投資がきっかけになり倒産しやすくなっただけでなく、ベンチャー企業は資金繰りが最大の経営課題になっていることが分かりやすいでしょうね。 スポンサードリンク
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