栗田出版販売倒産の理由

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栗田出版販売が、民事再生により倒産しており、出版取次業界も経営が厳しくなっています。栗田出版販売は、出版取次業界4位の企業ですが、ライフスタイルの変化により倒産していますね。


(1)栗田出版販売の会社概要

  1. 出版取次業は卸売業
  2. 1918年6月 栗田出版販売が創業
  3. 栗田出版販売は出版取次業の業界4位
  4. 栗田出版販売の販売先は2000社近くの書店
  5. 栗田出版販売の販売先は中小書店を中心に拡大
栗田出版販売は、日本4位の出版取次業者であり、創業100年近くになる老舗企業です。出版取次業界は、一般的に名前を聞くことのない多い業界ですが、出版業界に大きく貢献してきた企業ですね。

出版業界は、新刊の大量出版が続いているため、書店が全てを店頭に置くことは不可能になっています。美術出版社 倒産の理由をまとめましたが、消費者の意識の変化により、老舗出版社も倒産が始まりました。

栗田出版販売は、販売先が中小書店を中心に2000社近くを獲得してきましたが、中小書店は廃業が増加しています。栗田出版販売は、大手出版取次ぎ業界の倒産として注目を集めており、ネット通販拡大や新刊売上低迷の影響が表面化していますね。
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(2)栗田出版販売は業績の低迷が続いた

  1. 栗田出版販売の業績1991年10月期 売上高701億円
  2. 栗田出版販売の業績2009年9月期から売上高500億円未満になる
  3. 栗田出版販売の業績2014年9月期 売上高329億円
  4. 栗田出版販売の業績2014年9月期 当期損失2億6000万円
  5. 栗田出版販売の業績2014年9月期 債務超過2億円
栗田出版販売は、1991年10月期売上高を見れば、売上高が700億円を超えており企業規模が大きいように見えます。スマホやゲームなど、書籍以外の余暇時間は増えているため、若者の本離れという造語が流行りました。

栗田出版販売は、売上高の減少が続いており、2014年9月期には半分以下に売上高が減少しています。栗田出版販売だけでなく、出版取次業界は縮小傾向が続いており、経営が厳しくなっていたことを想像しやすいと思います。

栗田出版販売の財務は、2013年9月期の業績が債務超過寸前になっており、2014年9月期決算の赤字を支えきれていません。栗田出版販売は、出版取次ぎ業界が薄利多売のビジネスモデルのため、売上高が減少すれば倒産に繋がる特徴がありますね。

(3)出版取次業界の動向

  1. アマゾンの巨大化
  2. 楽天が出版取次大手を買収
  3. 出版取次業界は大手二社が寡占
  4. 書店の大型化と廃業が続いている
  5. 中小の出版取次業者はで生き残りが困難
出版取次業界の動向は、アマゾンや楽天によるネット販売が拡大しており、業界のコントロールが困難になっています。出版取次業界は、トーハンと日販の2社が売上高5000億円超えていますが、3位以下は売上高が1000億円未満になっています。

楽天は、出版取次業界3位の大阪屋に30%以上の出資をしており、グループ会社化に取り込みました。栗田出版販売は、大手2社と比較すれば売上高が10分の1未満になっており、卸売業として単独での生き残りは困難でした。

書店は、出版取次業者から書籍を仕入れていますが、大型化と廃業の流れが続いています。出版取次業者は、販売先の巨大化と廃業が続いているため、サプライチェーンの中での競争力が低下していますね。

(4)新刊の大量発刊と売上減少

  1. 本の販売減少
  2. 書店の売上減少
  3. 出版取次業者の売上減少
  4. 新刊の大量発刊により売上を補う
  5. 消費者が質の低い新刊を買って満足度が低下
  6. 本の数が多すぎるためアマゾンのレビューを参考に購入している
  7. 書店では本の評判が分からないためアマゾンや楽天での購入が増加
本価格は、再販制度によって値段が決められているため、人気や質に関係なく似たような価格設定になっています。消費者は、お金や時間が限られているため、満足度の低いものに対して消費が続くことはありません。

人間は、1冊の本を読むためには速読を習得していなければ、最低でも数時間を費やすことになります。新刊のレベルが低ければ、お金と時間を無駄にすることになるため、読書に費やすコストを減らしていくことになるでしょう。

芥川賞作家の柳美里は、原稿料未払い問題を争って話題になっており、出版業界の不況は有名な話になりました。栗田出版販売の倒産は、消費者が本を買わなくなっただけでなく、無駄な本に使う時間を節約するためにアマゾンや楽天の活用が増えた影響もあると管理人は考えています。
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