中国デフォルト影響 破綻回避の理由

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中国の理財商品は元本返済だけであり、金利は踏み倒しのためデフォルトですね。中国の銀行は負担分を支払っており、理財商品だけで銀行の不良債権は25兆円を超える可能性がありますね。


(1)理財商品と金融市場崩壊リスク

リーマンショックによる世界経済は不景気になりましたが、中国経済は経済成長を続けており、日本のマスコミは絶賛していました。中国経済の成長は地方政府が行っていた、採算性の低い不動産事業などのプロジェクトが大きく寄与していました。

中国政府は不動産投資を抑えるために、金融規制を銀行に対して行っており、地方政府などが行っている採算の悪いプロジェクトを中止しようとしていました。シャドーバンキングは、国有銀行などが融資を行えない不採算プロジェクトに対して、高金利で資金を集めて融資を行ってきました。

シャドーバンキングの資金調達方法の一つは、理財商品と呼ばれる高金利の信託商品を発行して資金調達を行う方法ですね。高金利の金融商品は多額の投資を集めており、中国人は積極的な投資を行って、お金を増やそうとしてきました。
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(2)理財商品のデフォルトリスク

  1. 2011年 中誠信託の理財商品 誠至金開1号を設定
  2. 2011年 中国商工銀行が誠至金開1号を販売 500億円を700人
  3. 2012年 違法な資金調達で提訴 新規の炭鉱開発が凍結
  4. 2014年1月理財商品500億円のデフォルト危機が発生
  5. 投資先の山西省の採炭会社は経営破綻が理由
中国デフォルト影響、破綻回避の理由について、2014年1月29日の日経新聞が報じているので見てみましょう。理財商品のデフォルトは懸念されていましたが、理財商品500億円を700人に販売していることが分かりますね。

中誠信託が発行した設定した理財商品は、中国の大手国有銀行である中国工商銀行が販売していました。中国工商銀行は中国の4大銀行ですので、理財商品がデフォルトすれば、理財商品の信頼性は大きく低下してバブル崩壊のリスクがあります。

アメリカデフォルト2014年2月27日の破綻期限をまとめましたが、デフォルトの内容を見ると大きく異なることが分かりますね。中国のデフォルトは破綻した投資信託のリスク回避は難しいですが、アメリカのデフォルトは議会の同意が得られれば解決できると言えます。

(3)理財商品デフォルト回避の仕組み

  1. 理財商品 誠至金開1号の元本 約500億円
  2. 理財商品 誠至金開1号の利息 約100億円
  3. 理財商品 誠至金開1号の利息 年利11%から13%
  4. 理財商品 誠至金開1号の設定日 2011年2月1日
  5. 理財商品 誠至金開1号の償還日 2014年2月1日
  6. 理財商品 誠至金開1号の購入者 富裕層など約700人
  7. 理財商品 誠至金開1号の資金使途 融資の返済で活用済
  8. 理財商品 誠至金開1号の元本支払 約500億円を第三者の投資家が支払
  9. 理財商品 誠至金開1号の利息支払 未払いの利子は支払われずにデフォルト
  10. 理財商品 誠至金開1号の救済スキーム 山西省政府50% 銀行25% 信託会社25%
理財商品の誠至金開1号がデフォルトするリスクが懸念されていましたが、2014年1月28日の産経新聞が報じているので見てみましょう。中国の理財商品は、年利11%から年利13%を利息としており、日本では考えられない金利を設定して、非効率なプロジェクトを行っていたことが分かります。

理財商品の救済スキームを見ると山西省政府だけでなく、中国工商銀行と中誠信託が元本償還のために負担を負っている可能性があります。理財商品のお金は、中国地方政府の無理なプロジェクトに融資されており、大規模なデフォルト発生は資金繰り倒産が続出するリスクがあります。

中国は影の銀行が、理財商品で100兆円以上の資金を調達していると言われていますが、救済スキームでは銀行が一定の責任を負う可能性があります。中国の大手国有銀行は、多額の理財商品を販売しており、元本保証により多額の不良債権リスクを抱えていると見られそうですね。

(4)理財商品は中国政府関係者が対象の可能性

  1. 中国商工銀行の理財商品 誠至金開1号の販売金額 500億円
  2. 中国商工銀行の理財商品 誠至金開1号の販売人数 700人
  3. 中国商工銀行の理財商品 誠至金開1号の一人当たり平均販売額 約7142万円
中国で理財商品のデフォルトは既に発生しており、中国経済破綻に繋がるリスクが指摘されてきました。理財商品の誠至金開1号は販売金額が大きいですが、第三者の投資家が救済したことは違和感を感じますね。

中国経済崩壊2014年3月 社債デフォルトの影響をまとめましたが、大手企業の社債はデフォルトを黙認するようです。中国政府関係者の資産を見ると、中国の国会で保有資産上位70人だけでも6兆円以上と言われており、貧富の格差は大きいことが分かりますね。

中国商工銀行が販売した理財商品のため市場に与える影響は大きいですが、理財商品の中には破綻したものもあるため違和感を感じます。中国の一般庶民に7000万円のお金がないため、誠至金開1号は中国政府関係者かコネのある、お金持ちのために救済された可能性も十分にありそうですね。

(5)中国で影の銀行デフォルトリスク

  1. 中国の平均不良債権比率 2012年末 0.95%
  2. 中国の平均不良債権比率 2013年3月末 0.96%
  3. 日本の主要銀行113行 不良債権比率 2012年9月末2.64%
  4. 日本の大手銀行8行 不良債権比率 2012年9月末2.10%
  5. 日本の地方銀行64行 不良債権比率 2012年9月末3.04%
  6. 日本の地方銀行41行 不良債権比率 2012年9月末3.79%
中国経済破綻危機 銀行の不良債権増加をまとめましたが、日本と中国の銀行は不良債権比率を考えると、日本の銀行は不良債権比率が高いように見えます。中国の銀行は、理財商品の元本返済のために多額の資金を供与している可能性があり、銀行に隠れ不良債権があると言えますね。

マウントゴックス倒産破産と仕組みを見ると、通貨に対するリスク回避を目的として大量の資金が中国から流れ込んでいました。中国政府の規制によって価格が暴落している上に、ビットコインは実物や信用の裏づけがないため、今のところ中国デフォルトの影響をリスク回避できる投資とは言えないですね。

中国のシャドーバンキングは、理財商品だけで100兆円以上の資金調達をしており、銀行が25%の負担を負うのであれば25兆円の隠れ不良債権があると言えます。シャドーバンキングは、委託融資でも資金調達しているため、中国の銀行は隠れ不良債権の処理で金融システムが破綻するリスクがありますね。
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