(1)アメリカのデフォルト可能性と財政破綻
アメリカはリーマンショックを契機に財政赤字が急速に拡大した結果、財政赤字はGDPの10%前後まで拡大しました。アメリカの財政赤字とGDP比率の関係を見ると急速に低下していますが、財政赤字が急速に拡大した日本と大きな違いがあります。- 日本の名目GDPが122.4%増加 1990年424兆円 2012年519兆円
- 米国の名目GDPが172.9%増加 1990年8兆9454億ドル 2012年15兆4707億ドル
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(2)アメリカでデフォルトの可能性と背景
- アメリカでは上院議会と下院議会を予算通過する必要がある
- 上院は与党民主党であるが下院は野党共和党が多数派
- オバマ大統領の医療保険改革、オバマケアに共和党が反対
アメリカのねじれ国会を日本に置き換える、自民党が衆議院選挙で過半数を獲得して与党になった後でも、参議院の過半数が野党であったときに法案成立に遅れがでていました。参議院選挙で、日本は与野党のねじれ国会が解消しましたが、アメリカではねじれ国会が続いており、予算成立見通しが立ちませんでした。
(3)アメリカのデフォルトは2014年2月に先送りの可能性
- アメリカ政府機関閉鎖解除と債務上限引き上げ問題の調整
- 2013年10月14日 アメリカ議会上院の民主党と共和党の幹部が会談
- 2014年1月15日までの暫定予算案が浮上
- 2014年2月半ばまでの国債発行を認める案が浮上
アメリカの政府機関閉鎖は一部がすでに始まっていますが、デフォルト破綻の回避に向けて民主党と共和党の話し合いに進展があったようですね。アメリカ政府のデフォルトは、金融市場や経済に与える影響があまりにも大きいことについて、簡単に見てみましょう。
(4)アメリカのデフォルトによる破綻の影響
- アメリカ政府デフォルトの影響 国債発行残高12兆ドル
- リーマンショックとデフォルトの影響 負債5170億ドル
アメリカでリーマンブラザーズの倒産により、リーマンショックで世界中が混乱しましたが、アメリカ政府のデフォルトと規模の違いを見てみましょう。アメリカのデフォルトは、リーマンショックの20倍以上の規模があるため、金融市場や投資家への影響が比較にならないほど巨大になるリスクがあると分かりますね。
アメリカのリーマンショックで、日本経済は大きな影響を受けてマイナス成長となりましたが、日本を代表するトヨタ自動車などの企業も金融市場で資金調達できず銀行融資に頼ることになりました。アメリカ政府のデフォルトが発生すれば、日本企業や個々人の生活に、どれ程の影響が発生するのか想像もつかないですね。
韓国経済危機2013年12月 パククネ予算破綻で政府閉鎖が発生しそうですので、アメリカ閉鎖を考えると韓国経済の混乱は深くなりそうです。アメリカ経済と韓国経済の規模を考えると、韓国経済が政府閉鎖で混乱しても、世界経済にほとんど影響はないと言えそうですね。
(5)アメリカ上院議会で予算成立見通し 下院議会のリスク
- アメリカ上院議会は与党が民主党 アメリカ上院議会は与党が共和党
- 2013年10月15日 アメリカ上院議会で与党と野党が合意の見通し
- 2013年10月15日の上院成立後 アメリカ下院議会に送付する予定
- 2013年10月17日 アメリカ政府債務のデフォルト回避期限
アメリカ上院議会で予算成立の見通しが立っており、デフォルト回避に向けて一歩前進したようですね。アメリカ上院議会で予算が成立した後は、アメリカ下院議会に予算案が送られる見通しとなっています。
アメリカ下院議会は第一党が野党の共和党となっており、オバマ大統領率いる与党民主党が議会対応に苦戦しています。アメリカ デフォルト10月18日破綻 日本への影響についてまとめていますが、2013年10月17日がアメリカのデフォルト回避期限となっています。アメリカ国債は、外貨準備として世界中の中央銀行が保有しており、予算成立見通しの前進によるデフォルトリスク減少は投資環境の改善と言えますね。
アメリカ デフォルト回避2014年2月破綻危機は、2013年10月に一時的に回避したものの、再度発生する可能性が高いですね。アメリカ国債の格下げ可能性もあるようですが、格付け会社は金融市場への影響が大きいですので、今回の暫定合意をどのように評価するのか重要ですね。
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(6)アメリカ国債の格付けとデフォルトリスク
アメリカ国債格下げデフォルト破綻リスクを、大手格付会社が注目していることが分かります。アメリカの予算成立見通しがありますので、政府機関の閉鎖やデフォルト破綻は回避できる確率は上昇しています。アメリカ議会の妥協案を見ると、ねじれ国会が続く中で2014年初頭に同じ問題が発生する可能性がありますので、大手格付け会社の判断に注目ですね。アメリカ デフォルト回避2014年2月破綻危機は、2013年10月に一時的に回避したものの、再度発生する可能性が高いですね。アメリカ国債の格下げ可能性もあるようですが、格付け会社は金融市場への影響が大きいですので、今回の暫定合意をどのように評価するのか重要ですね。
アメリカは一回潰れたほうがええから予算成立に反対
返信削除>匿名さん
返信削除匿名さん、おはようございます。
アメリカのデフォルトについて、匿名さんの仰るとおり、一度デフォルトして現在の経済環境や投資環境を激変させるべきという意見も多いようですね。
アメリカ国債のような、巨大な市場のある金融商品の場合、デフォルトすると一体何が起きるのか想像できない人が多いのではないでしょうか。アメリカでリーマンショックが発生して、日本有数の大企業が資金繰り悪化したということは有名な話です。
アメリカがデフォルトすると、リーマンブラザーズの20倍以上の規模になるため、何が起こるのか分からないですが、経済は非常に厳しくなると思います。
アメリカだけでなく世界中が影響を受けますが、しわ寄せはお金にもありますが、一般庶民に対して一番大きくなると危惧しています。