アトラス倒産とインデックスの粉飾決算

スポンサードリンク
インデックスが粉飾決算で倒産しましたが、アトラスはインデックスの子会社ではなく既に吸収合併されています。インデックスは財務状況が絶望的ですので自己破産申請を行う可能性も高く、解体される可能性が高そうですね。

(1)インデックス粉飾決算で倒産

インデックスが債務超過で倒産危機であることを説明しましたが、粉飾決算を行っていた時期を考えると、債務超過を隠す限界にきていたようですね。インデックスは上場企業ですので市場から資金を調達しやすいですが、主力事業の低迷により資金繰りが悪化していたと言えます。

インデックスはIT企業ですが、IT企業は固定資産をほとんど不要であるため、上場企業で実質無借金の会社が多いですね。インデックスのような上場企業であっても、粉飾決算を行っているうえに、実質債務超過で業績回復の見込みがない会社に対して、銀行の追加融資は不可能と言えます。
スポンサードリンク

(2)インデックスとオリンパスの違い

  1. インデックスは粉飾決算を行っている
  2. インデックスは実質債務超過だが、粉飾決算により債務超過金額拡大の可能性が高い
  3. インデックスの収益力は低いため債務超過解消の見込みがない
  4. インデックスはオリンパスのように強い製品や技術がないため、提携や買収のメリットがない
インデックス倒産の理由は、粉飾決算発覚による資金繰り悪化のようですが、オリンパスのように将来性や強い技術がなかったため、スポンサーが現れなかった理由も大きいですね。

インデックスが民事再生法によりスポンサーを探したとしても、粉飾決算による損害金額と責任の所在の明確化が必要ですが、財務内容も悪く買収リスクが高いです。インデックスを買収するのであれば、アトラスのブランド力を無形資産としてどのように利用するのかで価格が変わりそうですね。

リソー教育の粉飾決算 債務超過で上場廃止かまとめましたが、粉飾決算で利益の水増しを続けて多額の公募増資に成功した会社があります。インデックスやリソー教育のように、上場企業が粉飾決算を行えば、株式市場や公認会計士に対する信頼が低下すると言えますね。

(3)アトラスがインデックスの子会社に

インデックス倒産の真相について、2013年6月27日の帝国データバンクが、金融商品取引法違反の疑いで強制調査を受けたインデックス(ジャスダック上場)、民事再生法の適用を申請を報じているので見てみましょう。
  1. 1995年(平成7年)9月に設立
  2. 2001年3月 ジャスダックに株式上場を公開
  3. 2005年8月期売上高 約107億600万円
  4. 2006年会社分割で新設した子会社に事業を移管して、(株)インデックス・ホールディングスに商号を変更してグループ持ち株会社に
  5. 2006年10月 アトラスを連結子会社
  6. 2008年8月期売上高 約1235億3500万円
インデックスは、ドコモのi-modeなどのコンテンツを製作していましたが、株式上場後、M&Aを行い企業規模を拡大してきました。アトラスは、2003年2月にタカラの連結子会社となっていましたが、2006年10月にインデックスの連結子会社に変更となっています。

インデックスはi-mode向けの売上高が大きかったため、NTTdocomoの発展により、企業価値は増加していきました。携帯電話市場は、ドコモからiPhoneやガンホーなど、端末メーカーやゲーム機メーカーに注目が移っており、インデックスは携帯電話のアプリ市場から淘汰されたと言えそうですね。

(4)インデックスのアトラス吸収合併と売上高の減少

  1. 2009年3月 日本振興銀行(株)との間で株式相互保有による資本提携
  2. 2010年1月 中小企業振興ネットワークに加盟
  3. 2010年7月 中小企業振興ネットワークを
  4. 2010年10月 アトラスを吸収合併
  5. 2012年8月期 売上高約183億1500万円
インデックスは2010年10月にアトラスの吸収合併を行っており、会社解散が行われています。インデックスは、アトラスの今後について部門ごと事業譲渡を検討しているようですが、粉飾決算により倒産しているため売却交渉は、難航する可能性が高いですね

インデックスは倒産前に海外子会社の粉飾決算が発覚しており、その後、グループ全体の粉飾決算が発覚して倒産しています。イオンフィナンシャルサービス粉飾決算と横領着服の不祥事を見ると、上場企業は監査法人が会計監査を行っていますが、海外子会社の業績まで調べ切れていない可能性が高いですね。

(5)インデックスの循環取引と不良債権

債務超過を回避し、株式上場を維持するために関連会社、取引先など100社以上が循環取引に関わっていたなどとも言われ、急激な信用収縮が起こり、自主再建が困難となった。負債は約245億円。
インデックス粉飾決算 上場廃止と倒産危機で、金融当局による強制捜査が行われていましたが、循環取引と呼ばれる売上高と利益の水増しを行っており、実態のない業績が続いていました。粉飾決算が発覚すると過去の業績を修正する必要がありますので、財務状況が一気に悪化する上に信用低下で会社存続が困難になります。
インデックスは粉飾決算で倒産していますが上場廃止になりますので、株主代表訴訟と債権者からの訴訟により数百億円規模の損害賠償請求が行われる可能性が高いです。

アトラスは通常の倒産であれば事業譲渡がスムーズに行われたのかもしれないですが、粉飾決算の実態解明やアトラスの価格算定に時間がかかった場合、社員が流出して自然消滅の可能性もありそうですね。

(6)インデックスの倒産は負債額の多さが今年2番目

なお、今年に入って上場企業の倒産は、(株)東京カソード研究所(東京都、3月民事再生法、ジャスダック)に次いで2社目。負債額は、カブトデコム(株)(北海道、4月特別清算、負債5061億円)に次いで2番目。
インデックスの倒産は負債額の多さが今年2番目の多さであると同時に、上場企業の粉飾決算により、ジャスダックの銘柄に対する不信感が増しそうですね。
東京カソード研究所とカブトデコム倒産について、以前まとめましたが、両社とインデックスの違いは粉飾決算により、株主や債権者を欺いていない点が大きく違うのではないでしょうか。インデックス株の上場廃止 倒産とスポンサーを見ると、売却金額は150億円程度で部門ごとではなく、一括売却を想定しているようですね。

セガがインデックス買収を発表していますが、売却金額は140億円のようですので、報道内容におおむね近い金額であったようですね。セガ買収とインデックス倒産を見ると、セガはインデックスの保有するコンテンツでシナジー効果が発揮できると考えていることが分かります。セガは遊技機事業が強いので、パチンコやパチスロで展開する可能性がありますね。
スポンサードリンク

::


0 件のコメント:

コメントを投稿

最近の記事
Google を含む第三者配信事業者は、Cookie を使用して、ユーザーのウェブサイトでの閲覧履歴に基づく広告を配信します。 Google 広告 Cookie を使用することにより、Google や Google のパートナーは当サイトや他のサイトへのアクセス情報に基づく広告をユーザーに表示できます。 ユーザーは広告のオプトアウト ページ
で Google 広告 Cookie を使用しないよう設定できます(また、Network Advertising Initiative のオプトアウト ページでも第三者配信事業者の Cookie の使用を無効にできます)。