(1)金融機関の横領や脱税
金融機関は、顧客の銀行預金を大量に預かることや、お金を融資する強い立場にあるため、金融庁や金融機関の内規により手続きが厳しく定められています。金融機関は、経済への影響力が大きいと同時に、銀行預金口座の利用や振込みによる身近なサービスのため、不祥事が発生すると世間の注目が大きくなりますね。地方に住んでいる方にとって、地方銀行や信用金庫は、顔なじみの銀行員に相談しやすいため利用しているという口コミは多いです。大手銀行やネット銀行を利用している人の中には、資産やローンの内訳を知られたくないだけでなく、ローン金利などのサービスを比較して、銀行を毛決めるという口コミもありますね。
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(2)浮き貸しによる不正融資
高松信用金庫、横領脱税と不正融資の不祥事について、2013年5月3日の日本経済新聞35面が報じているので見てみましょう。
高松信用金庫は2日、花園支店(高松信用金庫)の支店長代理をしていた男性(41)が顧客の口座から預金を引き出し、ほかの客へ貸し出す「浮き貸し」と呼ばれる不正融資をしていたと発表した。高松信用金庫の支店長代理の社員が、顧客の銀行預金の不正引き出しを行い、不正融資を行っていたようですね。高松信用金庫の社員は横領の容疑もあるようですが、不正な所得を脱税の可能性があります。
半沢直樹9話ネタバレ浮き貸し倒産危機でまとめていますが、ドラマでは浮き貸しの事例として大手銀行の役員が関与しているシナリオとなっています。銀行員単独と異なり、大手銀行の役員が取引先を巻き込んでいる点は、銀行役員が取引先企業に対して持つ力の大きさを感じますね。
(3)銀行の貸出審査と不正融資の理由
銀行や信用金庫などの金融機関は、融資の際に取引先の財務状態や会社の成長性を考えて、融資審査を行います。金融機関の融資は、失敗すると不良債権が発生しますが、大手金融機関が倒産すると金融システム不安が発生して景気が悪化することをご存知と思います。金融庁のマニュアルや通達に従って不良債権発生防止のために、銀行の融資審査が厳格に行われると、お金を借りることができない取引先がでてきます。
- 顧客の銀行預金を不正流用
- 取引先に融資審査を行わずに貸出
- 取引先から受け取るはずの金利を横領、脱税の可能性
(4)浮き貸し融資の問題点
- 銀行預金の不正流用が大量に発生すると預金者保護が困難になる
- 融資審査を行わないことで、不良債権が大量に発生する可能性がある
- 融資により得られたはずの、適正な金利を銀行が得られない損失
浮き貸しによる不正融資が大量に行われたと仮定すると、顧客の銀行預金が大量に不正流用されると、銀行にあるはずの現金がなくなりますので、顧客の銀行預金がなくなってしまいます。
(5)銀行預金の不正引き出しと不正融資
口座からは最大で約3億8千万円が引き出され、うち約2億8千万円が不正融資された疑いがあるとしている。高松信用金庫の社員は、銀行口座からお金を引き出していますが、お金を引き出した金額と不正融資の金額が一致していません。
- 高松信用金庫の社員 銀行預金引き出し金額 約3億8千万円
- 高松信用金庫の社員 不正融資の金額 約2億8千万円
- 銀行預金引き出し金額と不正融資の金額に約1億円の差額
(6)出資法違反と横領の可能性
浮き貸しは出資法で禁止されており、同金庫は四国財務局へ報告。横領などの疑いもあるとみて、高松北署に被害を相談している。高松信用金庫は、社員の不正融資について、財務省の四国財務局に報告しており、金融庁にも連絡がいくと思いますので業務改善命令がでる可能性がありますね。高松信用金庫の社員は、銀行預金の引き出し金額と、不正融資の金額に1億円の差額がありますが、横領の疑いもあるようですね。
魁コンサルティング倒産と詐欺を見ると、みずほ銀行築地支店の不正融資事件でコンサルタントや銀行員が共謀して、詐欺を行っていますね。銀行員は企業取引を通じて、融資の専門家となっていますので、銀行員の不正融資対策を行うことも重要になりますね。
(7)高松信金は社員の懲戒処分を行わず
男性については、事実関係が明らかになり次第関係が明らかになり次第、処分を検討するとしている。高松信用金庫は、社員の懲戒処分を行っておらず、事情聴取を優先しているようですね。高松信用金庫で、横領脱税と不正融資の不祥事が発生した可能性がありますが、内部管理体制の是正と金融庁からの厳しい処分がある可能性がありますね。
広島商銀 横領脱税の不祥事では、浮き貸しによる預金の穴埋めに、別の顧客の預金を横領していますね。金融当局により浮き貸しが厳格に禁止されているのは、一度、浮き貸しを行うと不正の連鎖が繰り返されることが理由なのでしょう。 スポンサードリンク
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