(1)倒産とスポンサー
企業の倒産はよくある話ですが、優良な資産や技術を持つ企業には倒産後の支援先が現れます。倒産した企業の債権者には、スポンサー企業の買い取り資金を、債権の金額に対して按分して配当金が支払われます。太平洋クラブはゴルフ場ですが、東宇都宮カントリークラブ倒産とゴルフ会員権の今後についても、優良なゴルフ場であればスポンサーがつくでしょうね。太平洋クラブをマルハンが購入していますが、その方法とゴルフ会員権の債権カットの金額について見てみましょう。
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(2)太平洋クラブはマルハンに270億円の株式を発行
太平洋クラブ、マルハン倒産とスポンサーについて、2013年5月13日の太平洋クラブがホームページでスポンサー契約締結のお知らせについて発表しているので見てみましょう。マルハンは太平洋クラブグループに対し、更生計画に基づき、太平洋クラブグループが新たに発行する株式の引き受け等によって合計270億円を拠出し、当該資金は更生債権等に対する弁済及び一部運転資金等に充てられる予定です。ただし、上記の資金提供は、更生計画案の可決、その認可決定の確定等の条件充足が前提となります。太平洋クラブは、マルハンに270億円の株式を発行することで、債権者に対する配当金と運転資金に充足する再建計画となっています。太平洋クラブの債権者に対する、弁済率を見てみましょう。
(3)ゴルフ会員権、預託金の弁済率
詳細は、今後策定される更生計画案において定められることになりますが、かかる資金提供を前提とする限り、更生債権(取引債権のほか、会員の預託金債権を含む)に対する弁済として、少なくとも弁済率10%が確保できる見込みです。太平洋クラブの発表によると、マルハンをスポンサーとすることで、倒産後のゴルフ会員権の配当金は10%の確保を見込んでいるようですね。太平洋クラブは倒産後に、スポンサーを見つけていますが、ゴルフ会員権の金額を大きく下回っています。
パチンコ借金地獄で破産理由でまとめましたが、パチンコ業界の市場規模が縮小していることが分かります。マルハンはパチンコの大手企業ですが、手元資金を生かしてゴルフ場開発などパチンコ以外の分野に投資をしていることが分かります。
(4)太平洋クラブがマルハンから行う資金調達
また、マルハンは、資金提供後の3年間における設備投資支援金額として17億円を拠出する予定であるほか、マルハンによる更生計画認可確定後の支援実施までの間に、太平洋クラブグループの事業運営において必要が生じた場合には、5億円までの運転資金支援にも応じることにも同意しています。太平洋クラブが、マルハンから行う資金調達について見ると、倒産による信用補完まで考えていることが分かりますね。
- 太平洋クラブの株式発行 270億円
- 太平洋クラブの設備投資資金 17億円
- 太平洋クラブの運転資金 5億円
(5)太平洋クラブの年会費徴収
従いまして、更生計画認可決定確定後に会員権の継続保有を選択される会員の皆様からは、平成26年1月1日以降、以下の年会費を徴収させていただくことになります。
- 太平洋クラブ 年間36,000円
- 太平洋クラブ 関西エリア会員 年間24,000円
- 太平洋宝塚クラブ 年間12,000円
- 太平洋アソシエイツ 年間24,000円
- 税金は別途支払い
貸しはがし対策と倒産(3)で、銀行がゴルフ会員権の融資を、昔を行っていたことをまとめましたが、ゴルフ会員権の弁済率が10%であることを考えると融資のリスクが高いです。ゴルフ会員権を保有していた債権者の中には、100%返済されなかったことに納得がいかなかった方が多いことも予想できますね。
(6)社員はリストラせず
マルハンによる更生計画認可決定確定後の支援実施時点で太平洋クラブグループが雇用している従業員のうち希望する者全員が引き続き雇用される予定です。太平洋クラブの社員を、マルハンはリストラせずに継続雇用するようですね。マルハンはパチンコの会社なので、ゴルフ場の運営ノウハウは太平洋クラブの社員を中心として、行うことを想定しているのかもしれないですね。
ウエストワンズ倒産の理由は借入金が多いことですが、太平洋クラブのように倒産後のスポンサーが現れそうですね。ボゥヴェールカントリー倶楽部 倒産の理由は、債務超過とゴルフ会員権の償還問題ですが、アコーディア・ゴルフがスポンサーとして、マルハンのように債権カットを行いそうです。太平洋クラブのように倒産したゴルフ場は、買収者が現れても債権カットを行うことが一般的ですので、ゴルフ会員権購入の際はその点を理解する必要がありますね。 スポンサードリンク
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