三和建設 倒産の理由

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三和建設が倒産するまでを見ると、赤字決算前後に金融機関と返済条件変更を実施していますが、その後に倒産しており企業再生が困難であることが分かります。三和建設の倒産理由に、役員の退職が可能性としてありますが、中小企業では特定の人材に依存するケースが多いことも留意が必要ですね。

(1)ゼネコンの倒産と資金調達

ゼネコンなどの建設会社は、連続生産の製造業と異なりプロジェクトごとに採算や利益、期間が異なります。建設会社が引き受ける仕事は、公共事業の削減や過当競争による入札が繰り返されるため、利益水準を保ち資金公達を行うのは困難であると言えます。

建設会社の中でも、大手ゼネコンになると受注案件の増加により、資金調達や仕事の平準化が可能になりますが、中小規模は個別企業の受注案件が少なく、資金確保は困難ですね。

(2)三和建設 民事再生法の申請

三和建設、倒産の理由について2013年4月24日の東経ニュースが報じているので見てみましょう。
  1. 業種 建築工事
  2. 所在地 兵庫県姫路市平野町43
  3. 設立 昭和31年10月
  4. 創業 昭和25年10月
  5. 従業員 49名
  6. 代表者 中農 誠剛
  7. 資本金 4,100万円
  8. 年商 (24/8)37億0,700万円内外
  9. 負債総額 (24/8期末)24億2,100万円内外
昭和25年10月に創業、昭和31年10月に法人化した建築工事業者。大型の官公庁施設やマンション、商業施設等の建築を得意とし、地元でもトップクラスの知名度を有していた。
兵庫県姫路市の三和建設が2013年4月23日に神戸地裁に民事再生手続きを申請して倒産しています。三和建設は知名度が高かったようですが、市況悪化と取引先トラブルにより業績が急速に悪化して倒産したようですね。

(3)市況悪化と取引先トラブルの発生

平成11年8月期には80億円近い売上高を計上していたが、市況悪化に伴いその後は業績の落ち込みを余儀なくされ、特に近年においては、平成21年に主力先である大手スーパーからの受注案件で施工トラブルが発生
三和建設が倒産したきっかけは、市況悪化となっていますが、大型の官公庁施設の受注であれば公共事業削減や東海興業 ゼネコン倒産の理由と同じで、リーマンショックの影響もありそうですね。

三和建設が倒産した理由は、取引先トラブルにより、大口取引先との関係が希薄になり信用低下の影響があった可能性も大きいのではないでしょうか。

(4)売上高の減少と赤字決算

一時的に同社との関係が希薄化する等、受注環境は更に厳しさを増し、平成23年8月期には売上高が23億円内外まで低迷。前期平成24年8月期は売上高こそ37億円内外に回復したものの、4億円を超える赤字決算となっていた。
建設会社は、個別案件を積み上げていくことで売上高が構成されており、製造業と異なって、ほとんどの案件は独立した採算となります。
  1. 平成11年8月期 売上高 約80億円
  2. 平成21年主力先取引先とトラブル発生
  3. 平成23年8月期 売上高 約23億円
  4. 平成24年8月期 売上高 約37億円 4億円超の赤字決算
  5. 平成24年夏ごろ 銀行借入のリスケを実施
  6. 平成25年3月末 役員の退職
  7. 平成25年4月23日に神戸地裁に民事再生手続きを申請
三和建設、倒産の理由でポイントとなるのは、建設会社の抱える特徴でもありますが、受注の増加で売上高が増加しても、採算が悪ければ赤字になるということですね。

三和建設が倒産するまでを見ると、中小企業が赤字決算になった後に企業再生を行うのは困難であることが分かります。

(5)銀行借入の返済変更と手形割引の拒否

過大な借入金を抱えた中、業績低迷に伴い昨年夏ごろより金融機関に対してリスケを実施。前後して当社振出手形が市中金融筋で割引を否決されるケースが散見される等、対外的な信用の低下が懸念されていた。
三和建設は、銀行に返済スケジュール変更を申し入れており、資金繰りが逼迫していることが分かりますね。銀行は三和建設のように、リスケを実行した企業は業績が回復しなければ、不良債権として格付けを下げることがあります。

三和建設は、銀行の返済スケジュール実施によって、不良債権とされた可能性が高いので、手形割引は拒否されるケースが多いでしょうね。

(6)三和建設役員の退職

更に今年3月末には実質的に当社の経営を取り仕切っていたとされる役員の退職で、地元業者からの問い合わせが多発。今後のかじ取りに注目が集まっていた矢先で今回の事態となった。
三和建設役員の退職も倒産の理由として指摘されていますが、中小企業は優秀な特定の人材に依存するケースが多く、人材の流出も倒産の引き金になった可能性がありますね。石渡工業 倒産の理由も経営者の健康問題による信用不安が発生しており、中小企業の存続にとって人材が重要であることが分かりますね。
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