MRIインターナショナル倒産の原因 為替レート円高ドル安

スポンサードリンク
MRIインターナショナルは投資詐欺で事実上、倒産した会社ですが顧客への支払いは円建てがほとんどのため、為替レート円高ドル安の影響を大きく受けています。MRIインターナショナルは、為替差損の拡大により、投資資金が減少しており、倒産を早めたようですね。

(1)MRIインターナショナル投資詐欺の仕組みと倒産

MRIインターナショナルは投資詐欺により倒産状態ですが、多数の投資家から多額の投資資金を集めています。MRIインターナショナルは、投資家の解約防止を行うために、ラスベガスに招待するなどを行っていましたが、手元の資金繰りが逼迫していたことが理由のようですね。

MRIインターナショナルは、信託に準じる仕組みで、投資家から集めた投資資金を保護すると説明していましたが、資金流用が行われていました。MRIインターナショナルは、集めた投資資金を配当金に回すことで自転車操業を行っていましたが、為替レートの円高ドル安による為替差損の影響を受けたことが倒産を早めたようですね。

(2)金融危機による為替レートの円高

MRIインターナショナル倒産の原因が為替レート円高ドル安であることを、2013年4月30日の日本経済新聞3面が報じているので見てみましょう。
米金融業者MRIインターナショナルの資金消失問題で、2008年から12年まで続いた円高が破綻の一因になった可能性があることが29日、同社の内部文書で分かった。投資家の8割超が円建ての契約を選んでおり、08年のリーマン・ショック以降の急激な円高に伴い、MRI社の負担が膨らむことになった。
MRIインターナショナルは金融庁から許認可が取り消されているうえに、投資詐欺により手元資金が残っていないと報じられているため事実上の倒産状態であると言えます。

MRIインターナショナルの投資資金は、投資家へ配当金を支払うことが目的で、資金調達を行っていたことが報じられていますが、資金繰りの圧迫は為替レートの円高ドル安が真相のようですね。

(3)MRIが為替変動利のリスク、為替差損を負担

MRI社が09年ごろに作った内部文書には「為替差損益は当社が負担する」と明記。04~08年までに契約した顧客の86%は、為替の変動で収益が目減りしない円建てを選んでいた。
MRIインターナショナルは、為替変動のリスクを負担することを投資家に約束しており、為替レート円高ドル安によるリスクに備える必要がありました。
  • 為替変動のリスクをMRIインターナショナルが負担
  • 2004年~2008年までに契約した顧客の86%は円建て
  • 2004年~2008年までに契約した顧客の14%はドル建て
  • 為替予約や為替デリバティブを行わなければ、為替レートの円高ドル安が損失
MRIインターナショナルは、為替レート変動のリスクを背負いますので、顧客の円建て受け取り86%とドル建て受け取り14%が均衡していないので、投資資金の74%分の為替リスクを回避する必要がありました。

MRIインターナショナルが円高ドル安の為替リスクを回避していなかったということは、投資ファンドとして稚拙であり、初めから投資詐欺の目的があったと言われても仕方がないですね。

(4)投資利回りと円高ドル安による為替差損の負担

米国の診療報酬請求再建に投資するファンドはドル建てで運用しているが、MRI社は投資家に円建てで年6~8.5%の投資利回りを約束していた。
ドル円相場は08年のリーマン・ショック前に1ドル=100円を超えていたが、その後急速に円高が進み11年には1ドル=70円台後半になった。
MRIインターナショナルは、投資利回りを約束していましたので、円高ドル安による為替差損発生リスクを為替予約や為替デリバティブで回避する方法があります。

MRIインターナショナルは、為替予約をほとんど行っていた可能性が高く、為替レート変動で配当金の支払い金額が増加したことで、ドル預金残高が急速に減少したようですね。

(5)2011年に事実上の資金繰り破綻か

1999年からMRI社に資金を預けてきた60代の男性も「配当金の支払いに初めて遅れが生じたのは11年」と話す。 
09年までは配当金が支払われる2~3週間前にMRI社から封書で入金時期や入金額の知らせが来ていたが、11年に案内が来なくなった。 
同社に問い合わせると、「米国で監査が入り入金が遅れている」と説明を受けた。問い合わせから2~3日後に入金があったという。
MRIインターナショナルは、2004年~2008年の運用資金について、概算で74%分の為替リスクを負うことになりますが、為替レートの円高ドル安で元本の償還や配当金の支払い負担が大きくなり一気に資金繰りが悪化したようですね。

金融商品で配当金の支払いが遅れると、格付け機関からデフォルト(債務不履行)と判断されるものもありますので、投資詐欺や倒産の可能性を疑う事象ですね。

(6)MRIの投資詐欺の被害は高齢者のほうが多い

1人当たりの投資額は高齢者ほど多い傾向にある。内部資料によると、年代別で平均投資額が最も多いのは70代。平均1830万円を投資していた。次いで60代が同1630万円と多かった。最も少ない20代は同620万円だった。
日本人のお金持ちのほとんどが高齢者ですが、MRIインターナショナルの投資詐欺の一人当たり被害額を見ると、偶然かもしれないですがその傾向を感じますね。
  • 70代の平均投資額 1830万円の投資で最多
  • 60代の平均投資額 1630万円の投資
  • 20代の平均投資額 620万円の投資で最少
MRIインターナショナルの倒産の原因は為替レート円高ドル安による、配当金や元本償還負担の拡大があるようですが、投資詐欺の被害額を見る高齢者の投資金額が多いことが分かりますね。MRIインターナショナル投資詐欺と返金の真相 関連会社へ貸出金は、貸付先の関連会社が債務超過先であったので、回収は厳しそうですね。
スポンサードリンク

::


0 件のコメント:

コメントを投稿

最近の記事
Google を含む第三者配信事業者は、Cookie を使用して、ユーザーのウェブサイトでの閲覧履歴に基づく広告を配信します。 Google 広告 Cookie を使用することにより、Google や Google のパートナーは当サイトや他のサイトへのアクセス情報に基づく広告をユーザーに表示できます。 ユーザーは広告のオプトアウト ページ
で Google 広告 Cookie を使用しないよう設定できます(また、Network Advertising Initiative のオプトアウト ページでも第三者配信事業者の Cookie の使用を無効にできます)。