北海道拓殖銀行 倒産とカブトデコム解散

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北海道拓殖銀行が倒産の原因である、カブトデコムが解散しました。北海道拓殖銀行は、カブトデコムへの多額の融資が不良債権化しており、破綻懸念や預金流出により倒産しています。

(1)不動産開発と倒産

不動産開発に失敗して倒産すると、負債金額が大きいですので、債権者は大きな負担を負います。北海道拓殖銀行は、東海興業とカブトデコムのメインバンクでしたが、負債金額を見ると2社の不良債権が倒産の原因の一つになっていることが分かりますね。

銀行融資は、不動産担保があれば積極的に融資が実行されます。不動産開発は多額の融資を得られる一方で、不動産開発に失敗して担保割れする事例がバブル崩壊後続出しており、北海道拓殖銀行倒産や銀行再編のきっかけになっています。
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(2)カブトデコムの解散

カブトデコム解散と倒産について、2013年2月28日の東京商工リサーチがカブトデコムが会社解散を決議 負債5061億円と報じているので見てみましょう。
1997年の北海道拓殖銀行の破綻から16年。拓銀が積極的に支援していたデベロッパーのカブトデコム(株)(TSR企業コード:010016090、札幌市西区、資本金1億円、代表取締役平田英二氏)が2月28日開催の臨時株主総会で、会社解散を決議した。
カブトデコムの経営悪化が、北海道拓殖銀行倒産の原因になりましたが、債務のほとんどを回収できないまま解散が決まったようですね。

粉飾 佐藤真言と北海道拓殖銀行倒産の真相をまとめましたが、北海道拓殖銀行は北海道で最大の顧客基盤があるため、中小銀行は運転資金確保のための融資交渉に追われていたようですね。北海道拓殖銀行のように、地域経済に占める役割の大きい銀行が倒産すると、資金繰り倒産の増加や設備投資の遅れなどにより、北海道経済は深刻な不況が続くことになりました。

(3)北海道拓殖銀行 倒産の原因

1994年以降、一度も経常黒字を計上できず債務超過は5061億円に膨らんでいた。カブトデコムへの巨額の不良債権が拓銀破綻の原因のひとつだったが、債務弁済の道は閉ざされたまま終焉を迎えた。今後は、特別清算を申請する予定という。なお、2012年9月時点の負債は約5,061億円。
カブトデコムは業績不振が続いており、債務超過は5000億円を超える巨額のものとなっています。戦後最大の倒産2012年エルピーダメモリが、負債総額は4480億3300万円、製造業としては過去最大ですが業種は違うものの、カブトデコムは上回っていますね。

カブトデコムに拓銀は4000億円近くの貸し出しを行っていますので、大口の不良債権先として、拓銀倒産の引き金となっていることが分かります。カブトデコムと取引を行っている、下請企業や取引先を含めると、北海道拓殖銀行の不良債権はさらに膨らんでいた可能性が高いですね。

(4)カブトデコムは北海道拓殖銀行が支援

カブトデコムは、不動産デベロッパーで拓銀の支援を受け、ピークの1991年3月期は売上高1,009億円をあげていた。2009年7月に開催されたG8主要国首脳会議の会場となったザ・ウィンザーホテル洞爺(旧:ホテルエイペックス洞爺)を所有していたことでも知られる。
カブトデコムは急速に成長しましたが、大規模不動産開発には多額の資金が必要ですので北海道拓殖銀行が巨額の資金支援を行ったからこそ、成長が可能であったことが分かります。カブトデコムは倒産前に、G8主要国首脳会議で使われたホテルを保有しており、不動産開発に力を入れていたことが分かると思います。

エスエス不動産 倒産破産の理由でまとめましたが、不動産開発会社は急速に売上高を増やすことが不動産担保ローンやプロジェクトの成功で可能となります。カブトデコムのように、大型不動産開発プロジェクトが失敗すると資金繰りが悪化すると、不動産会社が倒産することはよくありますね。

(5)北海道拓殖銀行の倒産と多額の借入金

だが、バブル崩壊で不動産に投資した資金回収が進まず深刻な業績不振に陥り、その後は拓銀からの支援も打ち切られていた。拓銀からの借入金は約4000億円に達していた。その後、債権を引き継いだ整理回収機構とカブトデコムの間で債務弁済の合意はできたが、支払原資となるはずだった海外子会社の経営がリーマン・ショック以降、厳しさを増し返済が滞っていた。
カブトデコムは、北海道拓殖銀行から約4000億円の借入金があり、大口融資先の一つであることが分かります。カブトデコムは、整理回収機構に債権譲渡されており、不良債権先として扱われていることが分かりますね。

(6)北海道拓殖銀行と決算承認銀行

拓銀はバブル期に、北海道を始め、東京、大阪で積極的に不動産融資を手がけていた。だが、バブル崩壊で融資先が相次いで倒産し、多額の不良債権が発生。1994年1月には大蔵省(当時)から「決済承認銀行」の指定を受けていた。
北海道拓殖銀行は、カブトデコムの不良債権などによる経営悪化により、決算承認銀行として、大蔵省の許可が必要な銀行になります。東京商工リサーチは、決済承認銀行としていますが、決算承認銀行と類似した意味なのか、ご存知の方がいれば、教えてください。

(7)三洋証券の破綻で資金調達が困難に

1997年11月3日には三洋証券(株)(TSR企業コード:290984637、江東区)が会社更生法を申請するなど混乱する金融市場のなかで、「準備預金」の調達も厳しくなり、同年11月17日営業継続を断念し第二地銀の北洋銀行に営業譲渡していた。
北海道拓殖銀行は、無担保コール市場で資金調達を行っていましたが、三洋証券の倒産により群馬中央信用金庫(現在、しののめ信用金庫)の貸付が債務不履行になりました。

(8)カブトデコムと北海道拓殖銀行の倒産

準備預金とは、預金の払い戻しに備えて、一定金額を日本銀行の当座預金に預け入れる制度です。北海道拓殖銀行は金融市場混乱や不良債権の増加により、信用が低下したようですね。

キプロス預金課税の金利100%と銀行倒産でまとめましたが、銀行倒産は国や地域に大きな影響を与えることになります。カブトデコム解散と倒産が報じられていますが、北海道拓殖銀行が倒産する引き金となっており、北海道経済が低迷した大きな理由の一つとなっていますね。

カブトデコム倒産解散の理由を見ると、北海道の負債総額上位を北海道拓殖銀行の子会社とカブトデコムが占めており、大口不良債権問題が深刻であったことが分かりますね。北海道拓殖銀行は、都市銀行の中でも地域経済と密接な関係があったため、北海道経済の不況が長期化する大きな要因となりました。
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