(1)債権の保証と不良債権のリスク
債権は、常に不良債権化するリスクがあり、保証を行うことは連鎖倒産や経営危機を招く可能性があります。イー・ギャランティは、売掛債権に対する保証を行いつつ、自身のリスクを限定することを行える会社であると言えるのではないでしょうか。(2)イー・ギャランティ業績が好調
イー・ギャランティ株価が、倒産減少で好調になっていることを2013年1月29日の日本経済新聞が報じているので見てみましょう。売掛債権の保証業務を手掛けるイー・ギャランティの2012年4~12月期の連結経常利益が前年同期比27%増の8億2000万円程度になったもようだ。イー・ギャランティの業績が好調であることは、株価を見ると分かりますが、業績好調であることが株価に反映していますね。イー・ギャランティの株価が好調な理由は、2つの理由があります。
(3)新規契約の増加 倒産など信用リスクの減少
新規契約の増加に加えて再保証コストも減少した。13年3月期通期の連結純利益は従来予想を上回る可能性が大きく、年間配当を従来予想の25円から35円程度に引き上げる公算が大きい。
イー・ギャランティ株価は利益の増加期待から上昇していますが、理由は2つあることが分かります。
- 新規契約の増加
- 再保証コストの減少
イー・ギャランティの再保証コストは、企業の財務状態が悪化することで、倒産リスクが増えれば増加します。イー・ギャランティ取引先の倒産リスクが減少したことで、再保証コストは減少したようですね。
(4)中小企業金融円滑化法の期限の影響
売上高は6%増の27億円程度とみられる。中小企業金融円滑化法の期限が今年3月で切れることから、信用力の高い取引先が多い大企業(売上高300億円以上)を中心とした顧客の取り込みを進め、新規契約が増加した。保証先の倒産が減少したことで再保証にかかる費用も減少した。
イー・ギャランティ取引先の倒産リスク減少について、中小企業金融円滑化法の期限を意識していることが示唆されています。
- 顧客が中小企業円滑化法の期限切れによる倒産リスクを意識
- 信用力の高い取引先が多い、大企業の顧客取り込み
金融円滑化法期限切れ倒産と住宅ローンの不良債権化が言われていますが、イー・ギャランティは、期限切れに備えた取引先の債権保証の需要を上手く取り込んでいるようですね。
(5)倒産に備えた保証残高の増加と東証1部上場
売上高の先行指標となる保証残高は12年12月末時点で約1770億円と1年間で約200億円増加。昨年12月の東証1部への指定替えなどによる知名度向上で、地方での新規契約の獲得が進んでいる。
イー・ギャランティは、2012年12月に東証1部にかわっていますが、株価は業績と倒産リスク減少を好感しているようですね。イー・ギャランティ株価の動向は、倒産の増減を見るうえで一つの参考になる指標と言えそうですね。
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