(1)不動産会社とマンション販売
貸しビル会社の丸源が脱税で話題になりましたが、マンション販売と貸しビルはその仕組みが大きくなります。ランドと総和地所について見ると、財閥系を除くと、小規模から中規模の会社は資金繰りが不安定なことが分かります。不動産は物件の単価が非常に高いため、企業規模が小さい会社は、販売不振になるとすぐに倒産することになります。不動産販売に成功すると、企業規模は銀行融資と不動産担保で急激に拡大しますが、販売不振になると突発破綻が発生することはよくありますね。
スポンサードリンク
(2)穴吹工務店を子会社化
穴吹工務店が倒産しましたが、スポンサーとなった大京が買収により子会社化したことを、2013年3月11日のロイター通信が、大京が穴吹工務店を307億円で子会社化、地方都市の顧客基盤獲得と報じているので見てみましょう。大京は11日、穴吹工務店(高松市)を307億円で子会社化すると発表した。合同会社ジェイ・エル・ケイ(東京都中央区)から4月1日付で穴吹工務店の全株式を取得する。穴吹工務店の子会社化を、大京が発表しました。大京の筆頭株主はオリックスであり、30%以上の株式を保有しており、オリックスグループであると考えることもできると思います。大京は経営危機の際に、債権放棄と債務の株式化(EDS)による金融支援を2005年に受けており、その際にオリックスがスポンサーになっています。
エスエス不動産 倒産破産の理由を見ると、マンションの販売失敗により急速に資金繰りが悪化していることが分かります。穴吹工務店とエスエス不動産は、リーマンショックをきっかけに資金繰りが悪化しており、マンション開発会社に金融危機の影響が大きかったことが分かりますね。
(3)大京と穴吹工務店のマンションのブランド
- 大京 ライオンズマンション
- 穴吹工務店 サーパスマンション
穴吹工務店は、マンション販売戸数を急激に拡大したため、マンション業界の中でも注目されてきました。穴吹工務店は、地方を中心に安いマンションの大量販売に成功したため、マンション販売戸数で日本一になっていましたね。
穴吹工務店は、地方中核都市など幅広く展開しており、売上高を急速に拡大してきました。地方都市のマンションは、都会と比較すると土地価格が安いため、マンション価格が下がりますので、不動産開発会社も開発がしやすいということですね。
(4)大京と穴吹工務店の合併効果
大京は地方の中核都市を中心に事業展開する穴吹工務店グループを傘下に収め、より幅広い顧客基盤を獲得する。大京と穴吹工務店の合併効果を見ると、大都市圏に強い大京に対して、地方中核都市に強い穴吹工務店とであれば高い合併効果が見込めると判断したのでしょうね。マンションの販売エリアが異なれば、大手不動産会社のブランド価値を生かすことで、規模の利益を得やすくなります。
穴吹工務店は、マンション建設の原価管理だけでなく、施行管理を重視していると説明してきました。マンション開発会社にとって物件戸数の拡大は、調達コストの低下やマンション管理戸数の増加による安定的な収益を見込むことができます。
(5)穴吹工務店の会社更生手続きの終了
経営再建中の穴吹工務店は同日、東京地裁に更生手続きの終了を申し立てた。穴吹工務店は、会社更生手続きの終了を申し立てており、今後の展開が注目されるのではないでしょうか。穴吹工務店はスポンサーの下で経営再建を進めており、事業の再展開を進めていますね。
会社更生法は、大企業が倒産したときに、事業を継続しながら債務整理を行う経営再建の方法です。穴吹工務店は、多額の銀行融資を借りてきたため、マンション販売が停滞すれば経営は厳しくなりますね。
穴吹工務店の経営は、リーマンショック後にマンション市況が悪化したため、資金繰り悪化により倒産しました。穴吹工務店が、更正手続きを終了したということは、再建カットに成功しており経営再建が順調であると言えますね。
(6)大京と穴吹工務店の違い
東京や大阪など都市圏を中心に事業を展開する大京グループに対し、穴吹工務店グループは、地方の中核都市を中心に住宅事業やマンション管理事業、不動産仲介事業などを展開している。
- 穴吹工務店 地方の中核都市を中心に住宅事業やマンション管理事業、不動産仲介事業
- 大京 東京や大阪など都市圏を中心に事業を展開
マンション業界ランキング比較評価をまとめましたが、オリックスグループは、大京と穴吹工務店がマンション会社としてあります。オリックスは、大京を経営再建した実績があるため、穴吹工務店の経営再建にも成功しているようですね。
(7)合併による利益やコスト削減
両社が融合することで、顧客の囲い込みや調達コストの削減などさまざまな相乗効果を狙う。マンション販売は、大量の資材を使うため、規模が大きくなれば利益が大きくなりやすい業種です。穴吹工務店と大京の強い地域が異なることを見ましたが、うまく販売戸数を増加することができれば、コスト削減が大きく見込めそうですね。
マンションは、住宅ローンの提供実績だけでなく、販売促進や顧客リストも重要になります。都心部と地方に強い会社が合併すれば、お互いが保有していない資産を有効活用できるため、相乗効果に期待できると言えますね。
穴吹工務店は倒産後に大京が買収して、新たに不動産市場を攻めることになると思います。穴吹工務店は倒産しましたが、大京の買収により両社でマンション市場のシェア首位を獲得できるのか注目ですね。 スポンサードリンク
0 件のコメント:
コメントを投稿