総和地所 倒産の理由

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総和地所の倒産が報道されています。総和地所は、元上場企業でしたが債務超過により、上場廃止になっています。金融庁が、総和地所の未公開株の販売で免許取り消しを決めており、最後は信用不安で倒産したようですね。

(1)破産開始決定


総和地所の倒産について、2013年1月22日の東京商工リサーチが報じているので見てみましょう。
(株)総和地所(TSR企業コード:293130388、新宿区西新宿7-2-6、設立昭和34年1月、資本金9億1000万円、坂口涼二社長)は1月7日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には島田敏雄弁護士(LM法律事務所、千代田区永田町2-11-1、電話03-6206-1310)が選任された。 
負債総額は平成22年2月期末時点で39億6934万円
総和地所は、JASDAQに上場していましたが、債務超過になった後に未公開株の売買の手助けを行っており、かなり変わった道を歩んでいます。
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(2)休眠会社から上場会社へ

平成7年11月、不動産業者で休眠状態にあった(有)大鷲商事を(有)総和地所に商号変更し、東京都町田市で創業。8年3月渋谷区に移転し株式会社に組織変更。
総和地所は、休眠状態であった会社が母体であったようですね。総和地所に商号変更する前に、不動産会社となっていますが、どういった事業を営んでいたのか気になりますね。

(3)JASDAQに株式上場

分譲販売とリノベーション事業を展開

他社分譲マンションの販売代理業としてスタートし、後にファミリー層などの一次取得者向けに自社企画マンション「ロータリーパレス」シリーズの分譲販売にシフト、加えて中古マンションの1棟買いを行い内外装をリニューアルして売却するリノベーション事業も展開した。 
総和地所の事業について見ると、マンションの分譲販売と中古マンションのリノベーション事業を展開しています。

株式上場 

知名度の高まりや低金利下での住宅購入意欲の向上もあって急成長し、平成19年2月にJASDAQ市場に上場し19年2月期には年商147億588万円を計上した。
総和地所は、JASDAQに株式上場を行い売り上げも150億円近くまで成長していますね。

(4)総和地所 銀行とビジネスモデル

総和地所は株式上場を行うほどに急成長していますが、分譲販売もリノベーションも、不動産を手元に一度保有している必要があるため、多額の現金が必要になります。

金融面に注目すると、マンションは単価が高く多額の借入が必要になります。銀行借入は、個別のマンションやプロジェクトごとに借り入れるケースはよくありますが、販売不調に陥ると返済が困難になります。

銀行借入に頼っていながら返済が困難になると、新しいプロジェクト資金を借入で調達する事が難しく、事業が急速に縮小します。総和地所は、サブプライムローン問題をきっかけに業績が急速に悪化していきます。

(5)債務超過と上場廃止

しかし、同期をピークに米国のサブプライムローン問題に端を発した信用収縮の影響を受け、不動産業界への金融引き締めが顕著となり環境が一変。21年2月期の年商は61億4413万円に落ち込み、38億5302万円の赤字に陥り債務超過に転落。22年2月期も赤字を免れず、2期連続での債務超過に陥ったことにより22年7月には上場廃止となった。
総和地所はリーマンショックの金融危機の影響で、売上が半分以下に激減しています。金融危機により信用収縮が原因となっていますが、本業の売上減少と赤字拡大による債務超過が同時に起こっているので、販売不振の影響もありますね。

(6)金融庁からの行政指導

23年2月期は在庫販売を主体に年商は7億8203万円に減少、以降マンション販売を中止し不動産仲介業に事業転換を行う一方、有料老人ホームの用地取得、建築、運営、管理を行う計画であったが24年3月9日、金融庁(関東財務局)から、自社の未公開株を無登録で販売していた業者を手助けしていた疑いがあるとして行政処分を受けるとともに、金商法に違反したとして登録取消を受けた。
業績不振に加え社会的信用を失ったことにより事業継続が困難となり、今回の措置となった。
総和地所は業績の悪化とともに、急速に売上高が減少しています。銀行借入が困難にあり、新たな不動産が調達できなかったことと、景気悪化による販売不振で業績が悪化したのではないでしょうか。

金融庁に未公開株の行政処分で登録取消となっており、信頼が失墜。総和地所が倒産する、最後の一押しになったのではないでしょうか。
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