(1)福井銀行が与信管理に失敗
福井銀行 債権の取立不能のおそれ及び平成25年3月期第2四半期累計期間の業績予想の修正に関するお知らせ- ワシ興産株式会社 小野光太郎 資本金1,000百万円
- ワシマイヤ-株式会社 小野稔 資本金1,001百万円
- 株式会社アサヒオプティカル 小野稔 資本金240百万円
小野グループへの福井銀行の対応について、小野グループ倒産と粉飾決算で上記3社の架空預金や貸出、銀行審査についてまとめまています。銀行は融資と同時に、債権回収が重要な業務ですが、小野グループは倒産していますので、銀行への配当は限定的になります。
(2)小野グループの持ち株会社
小野ホールディングス従業員と傘下企業の社長が一致
小野ホールディングスの扮飾決算について、帝国データバンクは小野ホールディングス、扮飾決算発覚で倒産したことを1月25日に報じているので見てみましょう。小野ホールディングス(株)(TDB企業コード988844706、資本金1000万円、福井県福井市宝永4-3-1、登記面=東京都港区高輪2-15-21、代表小野光太郎氏ほか1名)は、1月25日に東京地裁より会社更生手続きの開始決定を受けた。 (帝国データバンク)
当社は、2005年(平成17年)6月に設立。グループ総帥の小野光太郎氏のもと地方の一大企業勢力へと発展した「小野グループ」各社に対する経営指導を行う持株会社。(帝国データバンク)小野ホールディングスが倒産しましたが従業員は、小野光太郎氏と他1名(Wikipediaによると長男の小野稔氏が副代表)となっており、グループを統括するための持ち株会社である事が分かりますね。
持ち株会社について
茶月の組織についても説明しましたが、グループを統括するための子会社があり、その下に主要な会社がぶら下がる形になっています。小野ホールディングスが持ち株会社であり、小野グループの司令塔であることも小野グループ粉飾決算の重要なポイントになりますね。(3)小野ホールディングス傘下の子会社
傘下企業には、アルミ加工品製造を手がけるワシ興産(株)(福井市)、ワシマイヤー(株)(福井市)、壽工業(株)(製材業、栃木県下都賀郡)、ジャスダック上場のローヤル電機(株)(東京都港区)などの事業会社を傘下に有し、2011年12月期には年収入高約1億2500万円をあげていた。(帝国データバンク)小野ホールディングスの子会社についてまとめると、下記のようになります。
- 小野ホールディングス2011年12月約1億2500万円の売上高
- ローヤル電機(株) 小野ホールディングス子会社 ジャスダック上場
- ワシ興産(株) 小野ホールディングス子会社
- ワシマイヤー(株) 小野ホールディングス子会社
- 壽工業(株) 小野ホールディングス子会社
- 日本マイヤー(以下、Wikipediaより)
- 日本BBS
- 浜口通販
- アサヒオプティカル
- カールツァイス小野
- ドイツBBS
(4)小野グループで粉飾決算
粉飾決算は当座取引計算書などを偽造
こうしたなか、昨年10月26日に「小野グループにおいて、巧妙な方法を用いて多額の粉飾決算のほか、残高証明・当座取引計算書等まで偽造する悪質性の高い行為があった」などとして、ワシ興産(株)、ワシマイヤー(株)、(株)アサヒオプティカルの3社が福井銀行より東京地裁へ会社更生法の適用を申し立てられる事態が発生(同3社は11月16日に更生手続き開始決定を受けた)。(帝国データバンク)福井銀行が、小野グループ3社の会社更生法を申請しています。小野ホールディングス子会社の粉飾決算について、東京商工リサーチが2013年1月25日に細かく指摘しています。
金融機関毎に改ざんした複数の決算書を作成
しかし、過去10年間に渡って総資産の過少申告や金融機関毎に改ざんした複数の決算書を作成するなど悪質な粉飾決算が発覚。(東京商工リサーチ)小野ホールディング傘下の子会社について、福井銀行は10年間騙され続けたのかもしれないですね。福井銀行は、株主に対してどういった与信管理を行ってきたのか株主総会で説明が求められるのではないでしょうか。
(5)小野ホールディングスの利益について
これを受けて小野ホールディングス傘下の事業については裁判所の監督下での処理・再生をはかることが妥当であるとして、今回の措置となった。負債は2011年12月末時点で約67億1174万円。(帝国データバンク)
なお、グループのローヤル電機(株)(TSR企業コード:291004695、JASDAQ上場)は「当社の議決権の69.42%を所有しているが、資本関係のみであり人的関係も営業取引関係もなく、業績の影響は全くない」としている。(東京商工リサーチ)小野ホールディングスの負債は、福井銀行が融資を行ったものであれば、福井銀行の赤字が拡大する可能性があるかもしれません。上場企業であるのローヤル電機の株式は、債権者に配当として渡るのか、スポンサーが見つかり売却するのか注目ではないでしょうか。
(6)福井銀行と小野グループ向け貸出の不良債権回収
小野ホールディングスの収入は、粉飾決算による不当な配当の可能性がありますが、福井銀行は不良債権をどれだけ回収できるのでしょうか。福井銀行は数年の利益に相当する180億円の不良債権が発生しており、銀行としての信頼が大きく損なわれた事例ですね。小野グループへの福井銀行の対応について、小野グループ倒産と粉飾決算でまとめました。福井銀行は、小野グループから3億円しか担保をとっていなかったようですね。半沢直樹が話題となりましたが同属企業の場合、銀行借入を行ってた後に担保物権を確認することは、当然であり取引先の変更は難しいでしょうね。
小野グループの社長について、小野光太郎の自己破産 倒産と粉飾決算でまとめましたが、小野光太郎氏と小野光太郎氏は自己破産が認められたようですね。小野ホールディングスの粉飾決算で債権者は、多額の損失を計上していますので、自己破産を行う必要性に迫られたとも言えそうすね。 スポンサードリンク
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