証券取引等監視委員会が捜索
ランドの粉飾決算と株価の問題点について、週刊ダイヤモンド2013年1月26日号で報じられているので見てみましょう。粉飾に手を染めた疑いが強まったとして、マンション開発のランド(横浜市)が神奈川県警と証券取引等監視委員会から家宅捜索を受けたのは昨年末のことだ。ランドが粉飾決算の疑いで、証券取引等監視委員会から捜索を受けています。ランドが粉飾決算の疑いを持たれた内容について見てみましょう。
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有価証券報告書を資産超過と偽った可能性
実際には債務超過に陥っていたにもかかわらず、約20億円の資産を水増ししたほか、資産超過と偽った有価証券報告書を提出した疑いが持たれたのだ。ランドの粉飾決算の指摘は、債務超過であるのに資産超過として有価証券報告書を提出したというものです。ランドは粉飾決算を否定しています。
株価が底値に
ランド側はこれに対し、「適切な会計処理を行っており、嫌疑を受けるものではないと認識しており、大変遺憾」と真っ向から反論している。
しかし、市場は冷酷だ。捜索直後から株価を急落し、一時は1円という底値を付けた。2012年の東証1部の株価騰落率でワースト1位となり、本誌の倒産危険度ランキングでも23位にランクインした。ランドの株価は高くはなかったですが、捜索直後に株価が急落している事が分かります。ランド株を1円のときに買えていれば、現在の株価は7円ですので儲けはすごいですね。株を底値で買えた人は、もちろん、ほとんどいないとは思います。
銀行融資と資金引き揚げ
大手銀行の融資担当者は「金融機関は企業の資金繰りの命運を握るが、融資先で事件や不祥事の匂いを嗅ぎつけると、いっせいに資金を引き揚げる準備をする」と打ち明ける。その疑いが真実か誤りかの問題ではない。例えばランドの場合は、家宅捜索されたという事実が重要なのだという。ランドは粉飾決算の報道がされましたが、銀行にとって融資を引き揚げるきっかけとして十分ではないでしょうか。債務超過は上場廃止を意味しているうえに、銀行融資は不良債権となります。
銀行融資引き揚げは事業継続にとって致命的
銀行は数千万円、億円単位のお金を失う事に繋がるので、敏感に動く事は想定できます。銀行融資だけでなく、取引先もお金の回収に必死になるでしょう。ランドのような不動産企業の場合、個別プロジェクトに対して、プロジェクトの用地などを担保にして借入を行い、プロジェクトの売却資金を返済に充てることになります。銀行が融資回収に動くということは、新規融資は困難でしょう。
ランド粉飾決算の報道は、株価に大きな影響を与えただけでなく、銀行融資が望めなくなることで事業継続が困難になっている事が分かります。ランド株価42倍の理由と粉飾決算でまとめましたが、株価が底値の1円から42円まで値上がりしているようですね。ランドの株価値上がりを見ると、アベノミクスが株式市場に与えた効果は、非常に大きいと言うことができます。 スポンサードリンク
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