(1)フタバ産業の役員が詐欺で逮捕
フタバ産業のお金の流れについて、2013年1月16日の中日新聞が、フタバ産業元常務ら逮捕 伝票を偽造容疑と報じていますので見てみましょう。トヨタ自動車系の自動車マフラー大手で東証一部上場のフタバ産業(愛知県岡崎市)で2009年に発覚した不正融資問題で、当時の役員らが、出資するロボットメーカー「ビジネスデザイン研究所」(BDL、名古屋市中区)への巨額融資を隠すため、銀行の振込伝票を偽造したなどとして、県警は16日、有印私文書偽造、同行使の疑いで、フタバ産業常務だった市川康夫容疑者(64)=岡崎市大和町=ら3人を逮捕した。
ほかに逮捕されたのは、当時のフタバ産業経理担当役員でBDLの監査役だった加藤博久(60)=岡崎市欠町、BDL社長の木村憲次(63)=名古屋市港区油屋町2=の両容疑者。フタバ産業の不正融資ですが、ポイントは役員らが出資する会社に不正な融資を行っている点です。簡単に言えば、フタバ産業の役員が、詐欺を行ったと言う事ですね。
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(2)フタバ産業の詐欺のポイント
- フタバ産業から名古屋市の取引会社にお金が渡る
- 名古屋市の取引会社から子会社に、取締役会の決議を経ずに不正融資
- 取引会社2社から、銀行の振込み伝票を偽造して、不正融資を偽装
- お金は17億円が返済されていない
取締役会の決議を経ていないため、融資を認めた人間と伝票を偽造して融資を実行した人間の責任が問われそうですね。
(3)不正融資のお金の隠し方
逮捕容疑では、共謀して08年3、4月に名古屋市の取引会社を通じてBDLに渡った約15億円の不正融資を隠すことを画策。別の2社から資材などを購入した取引だったように装うため、08年10月下旬、取引会社から2社への振込伝票3通を偽造し、コピーを監査法人にファクスしたとされる。フタバ産業の不正融資のお金の隠し方について、冒頭の画像を再度見てみましょう。この話の段階で、フタバ産業のお金は、A社に滞留していたのか立替払いという形であったのか、気になりますね。
(4)監査法人と公認会計士のチェック体制に疑問
監査法人について気付く事は、振込み伝票のコピーの確認のみなことです。手形の振出ではないので、銀行通帳の記帳コピーを要求するなどを行っていれば、気付いたのかもしれません。決算前に駆け込みで不正融資が行われたのか見てみると、2008年10月下旬に伝票を偽造したとなっています。フタバ産業は3月決算ですので、9月の中間決算前でもありません。なぜ、経理担当者に確認をするなど、行わなかったのか疑問が残ります。
上場企業の他社に目を向けると、粉飾決算を監査法人と公認会計士が見抜けないケースがある事がわかると思います。株式投資の際に、監査法人や公認会計士を信じるほかないのですが、あまり期待しないほうが無難ではないでしょうか。
(5)元役員は認めるが社長は不明
県警によると、市川容疑者は「私が指示した」と供述。加藤容疑者も容疑を認めているが、木村容疑者は黙秘しているという。
不正融資が発覚した09年5月、フタバ産業は加藤容疑者を懲戒解雇、市川容疑者と当時の社長は引責辞任した。同社は昨年11月、県警に告発した。フタバ産業の元役員は認めてていますが、社長の肝いり(後述)と報じていますので、疑問が残ります。フタバ産業 中国賄賂で逮捕の不祥事を見ると、元役員だけでなく、会社の関与を警察が捜査しているようですね。フタバ産業は技術力が高い会社ですので、役員交代により会社再建に成功するのか注目です。
(6)不正融資事件の背景に当時の社長
フタバ産業が設置した特別調査委員会の発表によると、同社は03年6月にBDLに出資。05年8月~09年2月、取締役会決議など正規の手続きを経ずに、計約64億円を金融支援した。BDLの財務状況が悪化したためで、当時の社長の肝いりだったとされる。発覚時、約17億円が未返済で、今回の15億円はこの一部とみられる。フタバ産業と子会社の関係について、整理して見ましょう。
- 2003年6月 フタバ産業がBDLに出資
- 05年8月~09年2月 取締役会決議など正規の手続きを経ずに、計約64億円を金融支援
- 2009年 フタバ産業の不正融資発覚 発覚時に約17億円が未返済
フタバ産業の役員逮捕と不正融資のお金の流れを見てみると、当時の社長の関わりや監査法人のチェック体制など、気になる部分が多いですね。トヨタ系フタバ産業の脱税は逮捕についてまとめていますが、フタバ産業の旧経営陣は事業を急速に拡大しましたが、内部管理体制で大きな問題があると分かりますね。 スポンサードリンク
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